...却つて、駿河臺では野村と同じ室に居て、牛込へは時々遊びに來た渠の從弟といふ青年に心を許して居たが、其青年は、頗る率直な、眞摯な、冐險心に富んで、何日でもニコニコ笑つてる男であつたけれど、談一度野村の事に移ると、急に顏を曇らせて、「從兄には弱つて了ひます...
石川啄木 「病院の窓」
...子供に対して真摯なる責任の感を喚起せざるが故に排斥せられなければならない...
エレン・ケイ 伊藤野枝訳 「恋愛と道徳」
...六 軽浮なる婦人論者を戒めて真摯なる研究を望む日本の浅薄なる空想家は独逸(ドイツ)もしくはスカンジナビヤ辺の神経過敏なるものが...
大隈重信 「婦人問題解決の急務」
...憐む可き天女の真摯なる物語は...
高木敏雄 「比較神話学」
...どてらをきてゐても真摯がある...
種田山頭火 「其中日記」
...彼は真摯で芸術的才能に恵まれてゐたが...
徳田秋聲 「彷徨へる」
...真摯なものであった...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...深い真摯(しんし)の欠乏...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...一つの真摯(しんし)な精神を示していた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...感情的に真摯だといふことが云へるのではありますまいか...
中原中也 「近時詩壇寸感」
...余りに真摯(しんし)です...
浜尾四郎 「彼が殺したか」
...その話にだんだん熱と真摯(しんし)とを加えた...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...こうした傾向が、男の心の生来の感情だとすれば、相手を保護してやろうといった矜持はいつだって女に有利なように働くのではないだろうか? ここに愛が加わったなら、あの感謝の気持ちが、真摯な魂の中に、何よりも大切な喜びとして存在することになる...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...眞摯(まじめ)ではあつたが...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...真摯(しんし)と夢想に溢れている...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...女としてとき子の心を思いやる峯子の気持は真摯なものを加えた...
「今朝の雪」
...しかも非常に真摯な八角時計が...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...金五の涙に真摯(しんし)な光を見たからである...
吉川英治 「新書太閤記」
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