...』恁(か)う久子の兄が幾度(いくたび)か真摯(まじめ)に言つた...
石川啄木 「鳥影」
...私が知つてからの彼女は実に単純真摯(しんし)な性格で...
高村光太郎 「智恵子抄」
...Y子そのささやきには真摯(しんし)の響きがこもっていた...
太宰治 「もの思う葦」
...非常に真摯(しんし)に...
田中英光 「オリンポスの果実」
...彼は真摯(しんし)の人なり...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...彼れの國民に對する同情は眞摯にして决して僞りならざりき...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...いっそう真摯(しんし)なほとんど宗教的な感情までが加わっていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...それを真摯な鋭い眼で眺むる時には...
豊島与志雄 「ヒューメーンということに就て」
...かくて古来真摯な芸術家が...
中原中也 「芸術論覚え書」
...固(もと)より真摯なものとは云へなかつた...
夏目漱石 「それから」
...固(もと)より真摯(しんし)なものとは云えなかった...
夏目漱石 「それから」
...しかもその弁護人が摯悍(しかん)矯直(けうちよく)にして裁判官を面責することを恐れざる放胆を予(あらかじ)め示して置いたときである...
平出修 「公判」
...なかんずくその主張全体を真理と見せしめる印象的な真摯さに...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...眞摯な役者にはかなはないのだ...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...しかも非常に真摯な八角時計が...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...彼の「聖ジョゥジ組合」‘St.George Gild’の企図はこの真摯な信念の具体化であった...
柳宗悦 「工藝の道」
...細かくそれを述べることはできないが、要するに彼は寛大、仁義、信義、柔和、謙譲、節制、敬神、真摯(しんし)、親切、重厚などという美質は、それらを外見上持っているようにみられることは、それらの反対の性質を持っているとみられるよりは有利であるが、しかし事実においてそれらの美徳を持つことは必要でないのみならず、かえって有害だという...
矢部貞治 「政治学入門」
...麓(ふもと)でもだいぶうわさが高い」一人が口をきわめて範宴の学才とその後の真摯(しんし)な態度を賞めたたえると...
吉川英治 「親鸞」
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