...闃(げき)として脈搏つ程の響もない...
石川啄木 「葬列」
...まどみ(ママ)のなかに羽を搏(う)つ蝶のごとく...
大手拓次 「「香水の表情」に就いて」
...産後の脈が搏(う)たうと...
薄田泣菫 「茶話」
...この搏動する思想は...
戸坂潤 「思想としての文学」
...個体の粟(あわ)を喙(ついば)んでは嬉しげに羽搏(はばたき)するものは女である...
夏目漱石 「虞美人草」
...刃(やいば)と十手の相搏(あいう)つ音が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...羽搏(はばた)く元気(げんき)もしだいに減(へ)つて...
逸見猶吉 「火を喰つた鴉」
...まだしばらく物狂わしい羽搏(はばた)きをしているが...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...虎や豹が獣を搏ち損う時は大いに恥じた風で周章(あわて)て首を低(た)れて這い廻り逃げ去るは実際を見た者のしばしば述べたところだ...
南方熊楠 「十二支考」
...また吹箭(ふきや)もて猟に行く人の跡を随行また呼び戻すために追い駆ける者を虎疾(にく)んできっとこれを搏ちに掛かると...
南方熊楠 「十二支考」
...「入り乱れた羽搏き」32枚終ったところです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...急な羽搏(はばたき)の音だろう...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...羽搏(はばたか)れた羽毛のように飛び廻った...
横光利一 「上海」
...それ又、どういふわけですと訊くと、素道氏の診斷學から觀ると、菊五郎氏の肉體は、吃又の上演以來、聲帶、脈搏、血行などが、そツくり吃患者の生態になつてしまつてゐるといふのである...
吉川英治 「折々の記」
...白河と襄江(じょうこう)のふたつが一時に岸へ搏(う)ってきたのだった...
吉川英治 「三国志」
...肉弾肉弾を搏(う)つの白兵戦となると――そのすさまじさは言語に絶している...
吉川英治 「新書太閤記」
...燦(さん)として征(ゆ)く行く手の雲や厚く搏浪(はくろう)の水涯(すいがい)は嶮(けわ)し自愛せよ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...と足で搏(う)った...
吉川英治 「無宿人国記」
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