...丸焼きの雉(きじ)なぞが羽搏(はばた)きをして紹興酒(せうこうしゆ)の瓶を倒しながら...
芥川龍之介 「南京の基督」
...吾等はもう一度その經驗を心の脈搏に感ずる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...倒れている婦人の脈搏(みゃくはく)を検(しら)べた...
海野十三 「流線間諜」
...行詰つてゐる詩人の心境を打開して見せた老師の搏力(はくりよく)には...
薄田泣菫 「木犀の香」
...体温や脈搏(みゃくはく)などをとりに来る看護婦に...
徳田秋声 「黴」
...熱も脈搏も呼吸も増してゆくばかりであった...
豊島与志雄 「生と死との記録」
...しかし彼女はこの時既に自分の胎内に蠢(うご)めき掛けていた生の脈搏(みゃくはく)を感じ始めたので...
夏目漱石 「道草」
...お前には夢の羽搏が聴えたり...
原民喜 「夢と人生」
...今でも僕はお前の魂の羽搏を想像する...
原民喜 「夢と人生」
...なにか愕然と人を搏つものがあって...
久生十蘭 「南極記」
...若々しい血の流れが溢れるばかり脈搏つてゐるみづ江も...
北條民雄 「青春の天刑病者達」
...大竜身無量にして金翅鳥(こんじちょう)に搏(う)たる...
南方熊楠 「十二支考」
...これは実に悲痛なる女性の羽搏きです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...すばらしい生命力と生命力の相搏(あいう)つ相(そう)は魔王と獣王の咆哮(ほうこう)し合うにも似ていた...
吉川英治 「三国志」
...源家の武士の脈搏(みゃくはく)がつよく搏(う)っているらしい...
吉川英治 「親鸞」
...驚喜の翼を搏(う)っている...
吉川英治 「宮本武蔵」
...言葉のひびきからも脈を搏(う)って...
吉川英治 「宮本武蔵」
...仕舞いになるとこめかみの辺の脈管の搏動が頭の芯(しん)まで響いて来る...
蘭郁二郎 「息を止める男」
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