...せつかく大陸的に出来上つた容貌の価値を損ずるようでいかにも惜しく思われた...
伊丹万作 「顔の美について」
...その御機嫌を損ずる気は毛頭(もうとう)なかったのである...
海野十三 「雷」
...別に名誉を損ずるものではないと...
太宰治 「女の決闘」
...千に一つも受け損ずる事は無い...
太宰治 「竹青」
...貞之助の機嫌を再び損ずるようになることも...
谷崎潤一郎 「細雪」
...人間のこしらえた衣裳なんぞを引っかけたのでは天真の美を損ずる――わが女房の一糸もかけぬ肉体をごろうじろ...
中里介山 「大菩薩峠」
...と言ってもそれは何も科学の価値を損ずるものでもなく...
中谷宇吉郎 「千里眼その他」
...ために芸術品として見たる私の講演は大いに価値を損ずるごとく...
夏目漱石 「文芸と道徳」
...……せいてはことを仕損ずる...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...世上一般の幸福をば損ずるのみにて少しも益するところあるべからず...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...それがために歌の趣を損ずる者に候...
正岡子規 「歌よみに与ふる書」
...縁語も場合によりては善けれど普通には縁語かけ合(あわ)せなどあればそれがために歌の趣を損ずるものに候...
正岡子規 「歌よみに与ふる書」
...佶屈(きっくつ)に過ぎて趣味を損ずる者多し...
正岡子規 「俳諧大要」
...些細(ささい)の色のために味を損ずるは愚の極といふべし...
正岡子規 「病牀六尺」
...西アフリカのエンギアンバてふ処に猴夥しく畑を甚だしく損ずる上...
南方熊楠 「十二支考」
...鼠が牧畜に必要な草や人間大事の穀物を損ずるは夥しいものあり...
南方熊楠 「十二支考」
...大いに風景を損ずることなり...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...自分は必ず寿命を損ずるであろう...
吉川英治 「三国志」
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