...風に揺曳する花びらが美しい...
...ゆらゆらと揺曳するキャンドルの灯りが部屋を優しく照らす...
...揺曳する舟から魚を釣るのが好きだ...
...風に揺曳しながら歩くと気持ちが良い...
...彼女の髪が揺曳する姿に心惹かれた...
...いち早くも東天に揺曳する暁の仄かなおとづれを感知するその感性は...
薄田泣菫 「独楽園」
...秋天に赤き筋ある如くなり秋空や玉の如くに揺曳(ようえい)す十一月十日 銀座探勝会...
高浜虚子 「五百五十句」
...コング・ホウコン号の吐く煙りがながく揺曳(ようえい)して...
谷譲次 「踊る地平線」
...一抹(いちまつ)の紫色がかった雰囲気(ふんいき)がこの盛り花の灰色の団塊の中に揺曳(ようえい)するような気がした...
寺田寅彦 「映画雑感(4[#「4」はローマ数字、1-13-24])」
...そこにいろいろな漠然(ばくぜん)とした類推の幻影のようなものが眼前に揺曳(ようえい)するように感ぜられるのである...
寺田寅彦 「科学と文学」
...聞いていてもなかなかそうは聞きとれないほどにゆっくり音を引延ばして揺曳(ようえい)させて唱う...
寺田寅彦 「雑記(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...少し離れて見ると何色ともはっきり分らないで色彩の揺曳(ようえい)とでも云ったようなものを感じる花とがある...
寺田寅彦 「雑記帳より(2[#「2」はローマ数字、1-13-22])」
...この山男の身辺にはなんとなく一種神秘の雰囲気(ふんいき)が揺曳(ようえい)しているように思われて...
寺田寅彦 「物売りの声」
...白雲の揺曳(ようえい)する青空に何か一点の黒いものを認めて...
中里介山 「大菩薩峠」
...影のやうに軽やかに揺曳してゐる...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...燭台を翳しておづ/\と私をさしまねいてゐるヘレナの幻が揺曳してゐるのであつた...
牧野信一 「鬼の門」
...小説や舞台の人物のやうに間断もなく私の脳裡に甘々しく揺曳するのでした...
牧野信一 「早春のひところ」
...脚もとの幕に仁王の見事に開かれた片手が鮮やかに揺曳してゐる...
牧野信一 「ダニューヴの花嫁」
...時空を超えた無碍(むげ)の揺曳(ようえい)を...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...きょうもあいたいとして愉(たの)しく揺曳(ようえい)していた...
室生犀星 「舌を噛み切った女」
...揺曳(ようえい)する霧のあいだからときおり燃えるような紅葉が鮮かに見えた...
山本周五郎 「契りきぬ」
...眼に止めがたい幻の揺曳(ようえい)のようにみえ...
山本周五郎 「山彦乙女」
...その無数とも、無限とも数え切れない微生物の大群の一粒一粒には、その透明な身体に、大空の激しい光りを吸収したり反射したりして、或は七色の虹を放ち、又は金銀色の光芒(こうぼう)を散らしつつ、地上最初の生命の自由を享楽しつつ、どこを当ともなく浮游し、旋回し、揺曳しつつ、その瞬間瞬間に分裂し、生滅して行く、その果敢(はか)なさ...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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