...風に揺曳する花びらが美しい...
...ゆらゆらと揺曳するキャンドルの灯りが部屋を優しく照らす...
...揺曳する舟から魚を釣るのが好きだ...
...風に揺曳しながら歩くと気持ちが良い...
...彼女の髪が揺曳する姿に心惹かれた...
...得体の知れない一種の感情が揺曳(ようえい)しているような心もちがした...
芥川龍之介 「路上」
...その陰影が壁に添うて揺曳くする床の間の柱に...
薄田泣菫 「侘助椿」
...灰白の空を支うる寺院の奥に香の煙の揺曳するのを眺めながら...
辰野隆 「雨の日」
...しかも人間の可能性の延長であり人間の欲望の夢の中に揺曳(ようえい)するような影像を如実に写し出すというのも一つの芸術ではあるが...
寺田寅彦 「映画雑感(3[#「3」はローマ数字、1-13-23])」
...その「煙のビスケット」が生物のように緩やかに揺曳(ようえい)していると思うと真中の処が慈姑(くわい)の芽のような形に持上がってやがてきりきりと竜巻のように巻き上がる...
寺田寅彦 「喫煙四十年」
...昔日の如くに炬火の残烟が暗中幾多の湍瀬に揺曳する詩趣はないが...
中村憲吉 「三次の鵜飼」
...ゆらゆらと揺曳(ようえい)する...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...未来の影を朦朧(もうろう)と罩(こ)め尽すまで濃く揺曳(たなびい)た時...
夏目漱石 「虞美人草」
...時機を待って外部に揺曳(ようえい)するために...
夏目漱石 「明暗」
...暖かい夜の大気のなかで仄かに揺曳する...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...影のやうに軽やかに揺曳してゐる...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...燭台を翳しておづ/\と私をさしまねいてゐるヘレナの幻が揺曳してゐるのであつた...
牧野信一 「鬼の門」
...ひたすら妻女の上を揺曳してゐた...
牧野信一 「バラルダ物語」
...彼の作家の頭上には不変一徹の清新な雲が虹をはらんで絶え間なく揺曳してゐるのだ...
牧野信一 「真夏の夜の夢」
...時空を超えた無碍(むげ)の揺曳(ようえい)を...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...明るい枇杷(びわ)色が潮に映じて揺曳(ようえい)する...
柳田国男 「雪国の春」
...眼に止めがたい幻の揺曳(ようえい)のようにみえ...
山本周五郎 「山彦乙女」
...その無数とも、無限とも数え切れない微生物の大群の一粒一粒には、その透明な身体に、大空の激しい光りを吸収したり反射したりして、或は七色の虹を放ち、又は金銀色の光芒(こうぼう)を散らしつつ、地上最初の生命の自由を享楽しつつ、どこを当ともなく浮游し、旋回し、揺曳しつつ、その瞬間瞬間に分裂し、生滅して行く、その果敢(はか)なさ...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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