...九君よこの上君の内部生活を忖度(そんたく)したり揣摩(しま)したりするのは僕のなしうるところではない...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...春琴女が後年の烈(はげ)しい気象を見ればあるいはそういう事実が性格に影響(えいきょう)を及ぼしたのかとも猜(さい)せられなくはないがこの事に限らず検校の説には春琴女の不幸を歎(なげ)くあまり知らず識(し)らず他人を傷つけ呪(のろ)うような傾(かたむ)きがありにわかにことごとくを信ずる訳に行かない乳母の一件なども恐らくは揣摩臆測(しまおくそく)に過ぎないであろう...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...まるきり不必要な揣摩(しま)でもなかった...
徳田秋声 「仮装人物」
...宇内(うだい)の大勢を揣摩(しま)し...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...漫(みだり)に自己の心を以て他人を忖度し揣摩臆測を以て無用の文字を重ね...
登張竹風 「美的生活論とニイチエ」
...吾人は妄りに彼れの心事を揣摩せざる可しされど吾人は一個の見地に依りて彼れの位地を觀察するの自由を有す此見地は彼れの未來に關せずして...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...吾人は妄りに彼れの心事を揣摩せざる可しされど吾人は一個の見地に依りて彼れの位地を観察するの自由を有す此見地は彼れの未来に関せずして...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...揣摩臆測(しまおくそく)や流言蜚語(りゅうげんひご)といったようなものが満ち渡るのに...
中里介山 「大菩薩峠」
...揣摩臆測(しまおくそく)はしきりでしたけれども...
中里介山 「大菩薩峠」
...それからお品(しな)の足(あし)を揣(さす)つて居(ゐ)るおつぎに目(め)を移(うつ)した...
長塚節 「土」
...それを好加減(いいかげん)に揣摩(しま)する癖がつくと...
夏目漱石 「門」
...いずれも揣摩臆測(しまおくそく)のかぎりをつくしてこの問題は長いこと社会の興味を呼んだ...
長谷川時雨 「芳川鎌子」
...地方総督の官房から派遣された役人ではなかろうかと揣摩臆測したのである...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...郵便局長の穿ちすぎた臆測と五十歩百歩の揣摩臆測を逞ましゅうしたものである...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...多年の揣摩(ずいま)一時の宏弁(こうべん)...
二葉亭四迷 「浮雲」
...殿を視る眼の揣摩憶測(しまおくそく)がさまざまにあるからでしょう...
吉川英治 「私本太平記」
...以後も山から降りて来られぬのか?」人々の揣摩臆測(しまおくそく)は...
吉川英治 「私本太平記」
...それらさまざまな揣摩臆測(しまおくそく)から噂の疾風(はやて)が...
吉川英治 「私本太平記」
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