...それが一旦つかまつて拷問(がうもん)された揚句に...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...その揚句に、彼はその紙片を机のまん中にそっと置いた...
海野十三 「地獄の使者」
...摺(す)った揉(も)んだの揚句に...
徳田秋声 「あらくれ」
...禅機に充ち充ちた弁証法的過程の揚句に...
戸坂潤 「社会時評」
...そして酔っ払った揚句には...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...」酔った揚句に云ったそんな言葉が...
豊島与志雄 「狐火」
...さんざん焦(じ)らした揚句に...
豊島与志雄 「反抗」
...これを組み替えてもいいからもっと気の利(き)いたものに改装して出したいという相談の揚句にフト調べて見ると組み版が前に云ったように美濃紙の手引へ四頁組み込んだのが原型になっているから...
中里介山 「生前身後の事」
...行燈の火影(ほかげ)に薄ぼんやりした室内を見廻した揚句に...
中里介山 「大菩薩峠」
...二つ三つ殴られた揚句に...
長谷川伸 「一本刀土俵入 二幕五場」
...が、二人の話はなかなかすまないばかりでなく、まるで親子喧嘩でもしてゐるやうな声高になつて、その揚句には、私に構はず、二人でドンドン上流へ行くのだつた...
葉山嘉樹 「万福追想」
...上を下へと捏返(こねかえ)した揚句に...
二葉亭四迷 「平凡」
...そこで欺(だま)して己(うぬ)が手に入れて散々弄んだ揚句に糟(かす)を僕に投げてくれた...
ホフマンスタアル Hugo von Hofmannsthal 森鴎外訳 「痴人と死と」
...やがて阿母の留守をねらつて売立騒ぎを演じた揚句に逐電した――などといふ噂が立つたら...
牧野信一 「裸虫抄」
...此の間どうしたのか頭の工合を悪くして三日ほど床について居た揚句にたべたかつおの刺身がさわったのだと云う事は確な事であった...
宮本百合子 「黒馬車」
...しずのおだまきの如くくりかえしくりかえしたる揚句にきめるのですから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...熱海(あたみ)街道をひきあげて来る途中――かの相良金吾(さがらきんご)と物別れになり、その揚句に、根府川(ねぶかわ)番所の役人に陸(おか)と船手から囲まれて、一味ちりぢりバラバラ、ようやくのこと、小舟で逃げのびた二人は、その後(ご)、江の島あたりに潜伏して、しばらくほとぼりを冷ましていたものと見えます...
吉川英治 「江戸三国志」
...揚句に片輪者にされて悄々(すごすご)引っ込むような愚かなまねを――敢て自分からすすんで求めるような馬鹿者はいないのだ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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