...そうしてその揚句に例(エキザンプル)でも挙げる気だったんだろう...
芥川龍之介 「片恋」
...たゞこの頃中から種々なる無理な無心を申し出でてたびたび迷惑をかけた揚句に...
石川三四郎 「浪」
...こんな事を暫くしんみりと話した揚句には十風の態度に激變を來たすのが常である...
高濱虚子 「俳諧師」
...禅機に充ち充ちた弁証法的過程の揚句に...
戸坂潤 「社会時評」
...――とに角こうした根本的な修正の揚句に辛うじて不穏文書取締法が実施されることになったが...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...」酔った揚句に云ったそんな言葉が...
豊島与志雄 「狐火」
...さんざん焦(じ)らした揚句に...
豊島与志雄 「反抗」
...仕度三昧(したいざんまい)の贅沢の揚句に案出した極端な凡ての娯楽的芸術を最も能く総括的に代表したものである...
永井荷風 「虫干」
...さんざんからかわれた揚句に...
中里介山 「大菩薩峠」
...色々相談の揚句に成ったものだから...
夏目漱石 「それから」
...揚句にはそれを堕落させなければ気がすまないのです...
浜尾四郎 「悪魔の弟子」
...が、二人の話はなかなかすまないばかりでなく、まるで親子喧嘩でもしてゐるやうな声高になつて、その揚句には、私に構はず、二人でドンドン上流へ行くのだつた...
葉山嘉樹 「万福追想」
...揚句にゃ狐にまで取っ憑かれやがった...
火野葦平 「糞尿譚」
...上を下へと捏返(こねかえ)した揚句に...
二葉亭四迷 「平凡」
...やがて阿母の留守をねらつて売立騒ぎを演じた揚句に逐電した――などといふ噂が立つたら...
牧野信一 「裸虫抄」
...揚句に芝居の仙台様がお脳気(のうけ)を患いやしめえし...
正岡容 「小説 圓朝」
...その揚句にこんなことになつたのだといふ噂が一番眞實(まこと)しやかに傳へられた...
正宗白鳥 「避病院」
...おし流された揚句に眺めれば...
宮本百合子 「獄中への手紙」
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