...氣の揉めるのは算術の時間であつた...
石川啄木 「二筋の血」
...あれだけの自動車がいつ客を乗せる番に廻り合わせるのかと思っただけで気が揉めるであろうのに...
上村松園 「中支遊記」
...そりゃあの人のことでは何度も揉めたことがあるのどす...
近松秋江 「霜凍る宵」
...何で其様な気の揉めることがあるの? 好い情人(ひと)でも何うかしたの?」「遅くなったって私が故意に遅くしたのじゃないし...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...ゲートルの脚先でしきいをさぐりそろそろと出ていった――こうされたことも共に神に免(ゆる)されねばならぬ――――ひとり揉めば五十円になる...
峠三吉 「原爆詩集」
...内輪揉めをさせるというのもその一つであったが...
徳田秋声 「あらくれ」
...今もなお気が揉めているから...
中里介山 「大菩薩峠」
...亭主が氣が揉めて仕樣がないだらうと――」「お前は長生するよ」「それにお光坊は少し浮氣つぽくて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「情事(いろごと)の揉めがあつたさうぢやないか」八五郎は横合ひから口を出しました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...この騷ぎを見せつけられて氣が揉めない筈はありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あたしにこんな揉め事でも話してね...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...少しでも男の芸人に口を聞くと大そう旦那が怒つて揉める...
正岡容 「寄席風流」
...成程、揉めた...
宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
...ふしぎとおれのゆくさきざきで揉め事が起こるんだ...
山本周五郎 「やぶからし」
...気が揉めて気が揉めて……という涙ながらの物語で...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...……行ってみると漁場(りょうば)の争奪、漁師の喧嘩、発動機船底曳(そこひき)網の横暴取締り、魚市場の揉め事、税金の陳情なぞ、あらん限りのイザコザを持ち掛けて来る上に、序(ついで)だからというので子供の名附親から、嫁取り、婿取りの相談、養子の橋渡し、船の命名進水式、金比羅(こんぴら)様、恵比須(えびす)様の御勧請(ごかんじょう)に到るまで、押すな押すなで殺到して来る...
夢野久作 「爆弾太平記」
...今でも、揉めといえば、揉んでくるるやも知れぬ」「あまり座興の度をこゆるな...
吉川英治 「新書太閤記」
...相共に繰返してうたへる伊那節の唄逢うてうれしや別れのつらさ逢うて別れがなけりやよい十一月六日どうも先生一人をお立たせするのは気が揉めていけない...
若山牧水 「木枯紀行」
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