...これは何時もの香染めらしい狩衣に萎えた揉烏帽子(もみゑぼし)を頂いて...
芥川龍之介 「地獄變」
...然うして擦(す)つた揉んだと果てしなく諍つてるのが――校長の困り切つてるのが...
石川啄木 「足跡」
...新(あたらし)いだけに美しい若々しい髯(ひげ)を押揉(おしも)んだ...
泉鏡花 「婦系図」
...呼べ」揉(もみ)あげは手をたたいた...
田中貢太郎 「春心」
...一人気を揉みながら...
豊島与志雄 「変な男」
...弁信の差し上げている提灯(ちょうちん)だけが人波に揉まれて左右に揺れます...
中里介山 「大菩薩峠」
...見物に気を揉ませたのも...
中里介山 「大菩薩峠」
...少ない時はまるで筮竹を揉(も)む音さえ聞えない夜もあった...
夏目漱石 「思い出す事など」
...気を揉む勇気も必要もなく...
夏目漱石 「それから」
...例えばマッサージはそのような元来の摩擦、打撃、揉むこと、からの発展である...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...親分」「気が揉(も)めるのかい...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...長い揉上げと口髭をこしらえ...
久生十蘭 「悪の花束」
...柳と出て、麻雀クラブで一荘やる、座へ帰って、松翁の「続劇壇今昔」を読み乍ら、揉ませる...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...ボックスと進行の大西が揉め...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...云わばもう其で揉みぬいたようなところが出来て...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...痛む脚を日向で揉んでいた老夫人のもとへ...
矢田津世子 「女心拾遺」
...客の喰べ残した料理の皿でタバコを揉(も)み消したり...
山本周五郎 「季節のない街」
...一揉(ひとも)みに」と星山の頂きから...
吉川英治 「源頼朝」
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