...この謙斎坊さんは、座敷は暖かだし、精を張って、つかまったから、十月の末だと云うのに、むき身絞(しぼり)の襦袢(じゅばん)、大肌脱(おおはだぬぎ)になっていて、綿八丈の襟の左右へ開(はだ)けた毛だらけの胸の下から、紐(ひも)のついた大蝦蟇口(おおがまぐち)を溢出(はみだ)させて、揉んでいる...
泉鏡花 「怨霊借用」
...」かう云つてじれつたさうに手を揉んでゐる...
グスタアフ・ヰイド Gustav Wied 森林太郎訳 「薔薇」
...お種は涼しいその水の上に俯向いて一心になって汚れ物を揉んでいた...
田中貢太郎 「蟹の怪」
...とりとめのない憧憬の爲に揉み絹のやうに萎えしぼんだみのるの心を靜に遠く幻影の世界に導いてゆく時...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...何物かに揉み砕かれているらしい物音です...
中里介山 「大菩薩峠」
...肩腰を揉(も)ませにかかる...
中里介山 「大菩薩峠」
...強(し)いてわれともがいてその火を揉み消そうなんぞとしない落着きを見ても...
中里介山 「大菩薩峠」
...揉(も)んだりして見(み)た...
夏目漱石 「門」
...今度は事件を揉み消すわけに行きません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...隱居は目ざといからきつと聲を立てる」「へエ――」「お染に肩を揉ませて居るうち...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...八」「へエ――」八五郎は兩手を揉(も)みました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...どこかの町で見た曲芸の娘のような手振りで腰(こし)を揉(も)んだ...
林芙美子 「風琴と魚の町」
...あれこれと気を揉(も)んで...
久生十蘭 「キャラコさん」
...これは揉み潰されるやうな分が...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「うづしほ」
...で新左衛門が自分のを揉ませてみると...
正岡容 「我が圓朝研究」
...これを両手で高く口の前まで持って来て顎(あご)の下あたりで揉(も)み廻すので...
柳田国男 「こども風土記」
...「だめですな」有力者はタバコを灰皿で揉(も)み消しながら云った...
山本周五郎 「季節のない街」
...揉(も)む...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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