...」「ええ、別に、」と俯向(うつむ)いて怨めしそうに、三世相を揉み、且つ捻(ひね)くる...
泉鏡花 「婦系図」
...黒坊主の立(たち)はだかっている中へ浪に揉(も)まれて行かしっけえ...
泉鏡花 「海異記」
...そして言ひ難(にく)さうに幾度(いくたび)か揉み手をしながら...
薄田泣菫 「茶話」
...肩を揉(も)んでもらいながら聞いてみた...
田中貢太郎 「鼓の音」
...一つには端(はた)の者が蔭で気を揉(も)んでいるほど...
谷崎潤一郎 「細雪」
...何物かに揉み砕かれているらしい物音です...
中里介山 「大菩薩峠」
...老人は笹の葉を押し揉んだやうな掛聲をしぼり出して右の手を徐ろに一杯に擧げて打おろすと鼓はパチツといふ音がする...
長塚節 「佐渡が島」
...私の母は有繋に気が揉めるのだらうといつた...
長塚節 「隣室の客」
...主人殺しはどうなるんで?」ガラッ八は気を揉んでこんな事を言いますが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...親分」「気が揉(も)めるのかい...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...石地蔵を揉んだって腹は立ちませんがね」「あのお鶴という小さい娘が取次いだのかい」「ヘエ」「療治の間主人は眠ってでもいたのかい」「とんでもない...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...群衆に揉み込まれての大亂鬪でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...清兵衛が気を揉んでいるのが...
久生十蘭 「ボニン島物語」
...美しい平顔を、しかめて揉んだ...
正岡容 「吉原百人斬」
...かれらとしては気が揉(も)めてやりきれないらしかった...
山本周五郎 「半之助祝言」
...手を揉み合わせて喜んだね...
夢野久作 「爆弾太平記」
...揉(も)みにじられた上...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...露八は、すぐ立って、「あ、お蔦だ」お吉は、揉む肩を失って、畳を、たたくように、撫でまわしていた...
吉川英治 「松のや露八」
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