...『あゝ、まだ虫ア啼いてる!』と、お八重は少し顔を歪めて、後毛を掻上げる...
石川啄木 「天鵞絨」
...草のなかを掻き分けてゐたが...
薄田泣菫 「茶話」
...それを上手に掻(か)いてくれる瓶口も好きだった...
高見順 「如何なる星の下に」
...その辺の畑の土を掻いて来たり...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...温泉の掻巻(かいまき)ができる訳である...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...黒い腕を皮癬病(ひぜんや)みのようにぼりぼり掻(か)く...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...その喉笛(のどぶえ)を掻き切つたのでせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...大藻掻(おおもが)きに藻掻(もが)く...
二葉亭四迷 「平凡」
...汽車の幾時間を藻掻(もが)き通して...
二葉亭四迷 「平凡」
...その中へ砂糖大匙五杯とワニラかレモンの香料少しとを入れてよく掻き混ぜてまた弱火(とろび)で二十分間ほど煮るとお粥(かゆ)の固い位になります...
村井弦斎 「食道楽」
...ではあたしにも恥を掻かさないで(いだ)いただけで帰ってくれ...
室生犀星 「舌を噛み切った女」
...そうかな」与平はまた頭を掻き...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...おしのは両手で胸を掻(か)きむしり...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...新八は脛(すね)や手をぼりぼり掻き...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...参木は河の岸で良心で復讐しようとして藻掻(もが)いている自分自身を発見した...
横光利一 「上海」
...みるみる大きく成つて行く黒猫の柔かな手触りでわたしの友染の掻巻の上を軽く圧へ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...手先を掻い潜ってどんと体当(たいあ)て...
吉川英治 「剣難女難」
...……明日になったらきっと頭を掻いてあやまるよ...
吉川英治 「新・水滸伝」
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