...もう鼻を掩う事を忘れていた...
芥川龍之介 「羅生門」
...遁辞や弥縫の答弁で天下公衆の耳目を掩うわけにはゆかぬ」と追及した...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...片手で顔を掩うたまま獣眼蒐(めが)けて続けざまに引金を引いた...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...私は顔を掩うて号泣しました...
橘外男 「仁王門」
...私は右の手で手拭を持ってそれで口と鼻とを掩うて...
田中貢太郎 「死体の匂い」
...夜九時隣室のラヂオに驚かされ耳を掩うて門外に出づ...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...荷物の風呂敷で顏を掩うた...
長塚節 「旅の日記」
...中央の山陵は杉の木が一杯に掩うて蔚然と小山のやうである...
長塚節 「松蟲草」
...廂を掩うて居る桐の木がもう落葉して居るので其落葉へ雨はばしや/\と打ちつける...
長塚節 「隣室の客」
...女は私に近よつた時急に両手の袖を重ねて胸を掩うた...
長塚節 「隣室の客」
...其の時女は屹度袖で胸を掩うて居る...
長塚節 「隣室の客」
...それらの作品の上にはいづれにも「點鬼薄」の持つてゐた暗鬱さが掩うてゐるが...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...その小池を掩うていた...
牧野富太郎 「ムジナモ発見物語り」
...けだし不貞を掩うによき口実だと記す...
南方熊楠 「十二支考」
...うちふられる旗が天空を掩うのを……)――彼等の妻や子供もまた彼等のうしろにあって叫ぶ――あらゆる工場...
百田宗治 「五月祭の朝」
...ああやかましいと耳を掩うだけの話である...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...彼らの失敗は大地がこれを掩う」...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...到る處杉檜が空を掩うて茂つてゐる...
若山牧水 「比叡山」
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