...自分は目を掩うてゐるのだからまだいゝけれど...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...タオルのような純白の柔らかい布で我らの身体を掩うてくれ...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...私は右の手で手拭を持ってそれで口と鼻とを掩うて...
田中貢太郎 「死体の匂い」
...性欲を掩う美しいベールとして恋愛感情を人間に与えたのであろう...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...日本にあっては霖雨の時節閉切った電車の中屡(しばしば)鼻を掩う事あり...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...大きな白帆は遠い野を掩うて姿見へ大きく映る...
長塚節 「おふさ」
...尺が少し足りませんので袖が短かうございます」といつて赤い襦袢で一寸顏を掩うた...
長塚節 「開業醫」
...一枚のどてらは三人を掩うた...
長塚節 「利根川の一夜」
...中央の山陵は杉の木が一杯に掩うて蔚然と小山のやうである...
長塚節 「松蟲草」
...廂を掩うて居る桐の木がもう落葉して居るので其落葉へ雨はばしや/\と打ちつける...
長塚節 「隣室の客」
...女は私に近よつた時急に両手の袖を重ねて胸を掩うた...
長塚節 「隣室の客」
...其の時女は屹度袖で胸を掩うて居る...
長塚節 「隣室の客」
...北九州の地を掩うている...
火野葦平 「花と龍」
...(それ故一種の「華麗なる寂しさ」が彼の作品を掩うてゐたのだ)...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...頭も足も自然がここにつけた以外のものをもって掩うな...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...より多くこの身を掩うべき理由を持っていることに気がつく...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...手巾(ハンケチ)で顔を掩うて私達の早足に去る事を促した...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...到る處杉檜が空を掩うて茂つてゐる...
若山牧水 「比叡山」
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