...落葉が窓戸を滲透して僕の正装の貝釦を掩護する...
李箱 「出版法」
...おまけに同じような壁紙が金庫の扉を掩(おお)うて...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...日本は世界を従属させるべきものであるという主張が『日本紀』の神武天皇紀の「掩八紘而為宇」を根拠とするようなのがその一つである...
津田左右吉 「日本歴史の研究に於ける科学的態度」
...かのアカイヤ人何ものぞ?』垂絹長く面を掩ふ艶美の女性答へ曰ふ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...而して錫と黄金と掩ひ飾れる其兵車...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...彩霞波ヲ掩ヒ不忍ノ湖ハ頓ニ水色ヲ変ズ...
永井荷風 「上野」
...畑は成熟しつゝある麥の穗を以て何處までも掩はれてある...
長塚節 「おふさ」
...卯平(うへい)も隣(となり)の森(もり)の陰翳(かげ)が一杯(ぱい)に掩(おほ)うて居(ゐ)る狹(せま)い庭(には)に立(た)つた時(とき)は...
長塚節 「土」
...しかもこの異分子もまたB主義の名に掩(おお)われてしだいしだいに流転(るてん)して行くうちには...
夏目漱石 「創作家の態度」
...双方から手で掩(おお)うようにして差し向った...
夏目漱石 「門」
...おれは昨夜もおなじ上掩(うわおお)いを着て...
アンブローズ・ビヤース Ambrose Bierce 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...衣服でそれを掩(おお)っていられる限は掩っている...
森鴎外 「不苦心談」
...強(しひ)て当時の心虚なりしを掩ひ隠し...
森鴎外 「舞姫」
...雲に掩(おお)われた空へと...
山本周五郎 「青べか物語」
...お民は思わず両手で面を掩(おお)いながら泣きだした...
山本周五郎 「初蕾」
...――これは蜀全軍に対して後の掩護(えんご)となっておる...
吉川英治 「三国志」
...物蔭からただ矢を放て」何の掩護物もない戦場では...
吉川英治 「平の将門」
...顔を掩(おお)ってしまった...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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