...汝の震怒(いかり)の息(や)むまで我を掩(おお)い...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...孟子にも詩三百一言以てこれを掩(おお)えば思い邪なしともいい...
大隈重信 「婦人問題解決の急務」
...私は口許を掩(おお)うている扇子の陰から...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...緑林掩(おほ)ふ連山と怒濤轟く海洋と 155間にありて隔つれば...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...かのアカイヤ人何ものぞ?』垂絹長く面を掩ふ艶美の女性答へ曰ふ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...この時に当つて僕独(ひとり)耳を掩(おお)うて鄙語(ひご)聴くに堪へずとなすが如きは甚(はなはだ)通俗の本旨に戻(もと)るものなり...
永井荷風 「桑中喜語」
...日本にあっては霖雨の時節閉切った電車の中屡(しばしば)鼻を掩う事あり...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...與吉(よきち)は霜(しも)の白(しろ)く掩(おほう)た庭(には)を小(ちひ)さな下駄(げた)でから/\と鳴(な)らしながら遁(に)げるやうに駈(か)けて行(い)つた...
長塚節 「土」
...これを掩いあるいは露(あら)わす前景は...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...曇った頭を厚く掩(おお)う髪の根元が息切(いき)れていた...
夏目漱石 「それから」
...南アルプスのまだ雪に掩(おお)われているロマンチックな山頂が眺(なが)められた...
堀辰雄 「恢復期」
...そしてその屍で掩われている谷の上を3950風はひゅうひゅうと吹いて通っています...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...前景をも便宜に掩ふ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...六十ないし八十の・やはり大理石で作られ・その上をクッションで掩われた・階段がしつらえられ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...由利江はふいに両手で面を掩(おお)い...
山本周五郎 「落ち梅記」
...どの畑(はた)にも草に掩(おほ)はれた土饅頭(どまんぢう)が並んで居る...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...掩護(えんご)の船列も布(し)いたろうが...
吉川英治 「私本太平記」
...庭も社殿も清らかな松の落葉で掩はれてゐた...
若山牧水 「樹木とその葉」
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