...天鵞絨(ビロード)で掩(おお)われた壁龕(へきがん)がところどころに設けられて...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...そして林立した墓標の上にも闇と森の陰は掩い被さって...
橘外男 「逗子物語」
...而して錫と黄金と掩ひ飾れる其兵車...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...卯平(うへい)は田圃(たんぼ)に從(つ)いて北側(きたがは)の道(みち)を歩(ある)いたので彼(かれ)の目(め)には悉(こと/″\)く夜明(よあけ)の如(ごと)き白(しろ)い冷(つめ)たい霜(しも)を以(もつ)て掩(おほ)はれて居(ゐ)る畑(はたけ)のみが映(うつ)つた...
長塚節 「土」
...左はすぐに溪で既に散りはじめた櫻の薄紅葉が溪にんで其狹い道を掩うて連つて居る...
長塚節 「松蟲草」
...「掩ひて」がオホテ)...
橋本進吉 「国語音韻の変遷」
...いっぱいの黒雲に掩(おお)われてのしかかるように暗く...
火野葦平 「糞尿譚」
...当時の森に掩はれてゐた六甲の傾斜面がよく写されてゐる...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...南受けたる坐敷の庭には百年をも過ぎたらん桜の樹はびこりて庭半ばを掩(おお)ひたり...
正岡子規 「わが幼時の美感」
...門外で伺う者聞きて口を掩(おお)うて笑わざるなし...
南方熊楠 「十二支考」
...それを掩ひ隠すために...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「不可説」
...頭も足も自然がここにつけた以外のものをもって掩うな...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...これによって自分の表面だけでも掩い飾ろうとしたのであるから...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...そう申しました」第二は懐紙を出して顔を掩(おお)った...
山本周五郎 「はたし状」
...手巾(ハンケチ)で顔を掩うて私達の早足に去る事を促した...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...此山間が一面皆此等と同じ大樹に掩はれてゐたのであらう...
吉江喬松 「山岳美觀」
...強(し)いてその眼を掩(おお)い...
吉川英治 「新書太閤記」
...到る處杉檜が空を掩うて茂つてゐる...
若山牧水 「比叡山」
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