...眩ゆいやうな白いリンネルの褻衣(したぎ)に掩はれたのも...
テオフィル・ゴーチエ Theophile Gautier 芥川龍之介訳 「クラリモンド」
...目の掩ひを除けて...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...其高さは予が馬上にあるの頭(かしら)を掩(お)うあり...
関寛 「関牧塲創業記事」
...深々と山を掩(おお)った昼なお暗い老杉(ろうさん)がいつ来て見てもザワザワと揺れ立っていた...
橘外男 「逗子物語」
...才色一代を掩(おお)ったその日野涼子の奥津城(おくつき)であり...
橘外男 「逗子物語」
...その上層を大部分掩蔽(えんぺい)するだけの経験の収穫をこの日本の環境から受け取り...
寺田寅彦 「日本人の自然観」
...袖で顔を掩(おお)うて...
徳田秋声 「足迹」
...わたしはかつて愛誦(あいしょう)した『春濤詩鈔(しゅんとうししょう)』中の六扇紅窓掩不レ開――妙妓懐中取レ煖来という絶句を憶(おも)い起すと共に妓(ぎ)を擁(よう)せざるもパンを抱いて歩めばまた寒からずと覚えず笑を漏らした事もあったほどである...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...夜九時隣室のラヂオに驚かされ耳を掩うて門外に出づ...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...譜代(ふだい)外様(とざま)の掩護(えんご)のほかに...
中里介山 「大菩薩峠」
...段々(だん/\)に淺(あさ)い緑(みどり)が掩(おほ)うて...
長塚節 「土」
...整骨醫(せいこつい)の家(いへ)はがら竹(たけ)の垣根(かきね)に珊瑚樹(さんごじゆ)の大木(たいぼく)が掩(おほ)ひかぶさつて陰氣(いんき)に見(み)えて居(ゐ)た...
長塚節 「土」
...圍爐裏(ゐろり)の火(ひ)も灰(はひ)が白(しろ)く掩(おほ)うて滅切(めつきり)と衰(おとろ)へた...
長塚節 「土」
...火傷(やけど)を掩(おほ)うてべたりと貼(はつ)てぐる/\と白(しろ)い繃帶(ほうたい)を施(ほどこ)した...
長塚節 「土」
...榎本氏の一身はこれ普通の例を以て掩(おお)うべからざるの事故(じこ)あるがごとし...
福沢諭吉 「瘠我慢の説」
...永遠の氷に掩(おお)われている地極の底にも...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...鉢の土は袂屑のような塵に掩(おお)われているが...
森鴎外 「サフラン」
...彼女は袂で顔を掩い...
山本周五郎 「おれの女房」
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