...旅館の閑散をも表示する……背後(うしろ)に雑木山を控えた...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...今度は右に谷を控えた山の腹を下るのだが...
板倉勝宣 「五色温泉スキー日記」
...この問題についてこれ以上執拗にうんぬんすることはここでは差し控えたい...
伊丹万作 「政治に関する随想」
...お互に言葉を交わすことは控えたが...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...今からの僕は大勢の兄弟を後ろに控えたからだだ...
大杉栄 「獄中消息」
...私のニカノールはむっとして三頭の手綱を控えたが...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...一寸躊躇して手を控えた...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...この時敵陣の中央に控えたる定遠艦首の砲台に白煙むらむらと渦まき起こり...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...軍部も政友会もあまり深く追及することはさし控えた...
戸坂潤 「社会時評」
...たがいに尋ね合うことを差し控えた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...その前路を控えた身で...
中里介山 「大菩薩峠」
...次の間に控えたのが宇治山田の米友です...
中里介山 「大菩薩峠」
...もう少し辛防(しんぼう)がよくなくっちゃあ胃弱なんぞはほかの病気たあ違って直らないわねえ」とお盆を持って控えた御三(おさん)を顧みる...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...音楽の調べは満開アザレアの背後に控えた楽団が演奏し...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「道化玉座」
...軽率にその名前を口にすることを控えた...
室生犀星 「野に臥す者」
...自分のものを出すのはいさぎよくないからさし控えた...
柳田国男 「予が出版事業」
...他の四人はその場に膝(ひざ)をついて控えたが...
山本周五郎 「泥棒と若殿」
...手出しは一応控えたものの...
吉川英治 「宮本武蔵」
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