...さうして上衣の隠しを探ると...
芥川龍之介 「南京の基督」
...物のない所に物を探るような心持ちで葉子は人力車を大塚のほうに走らした...
有島武郎 「或る女」
...男を壓迫(おしつけ)る樣に言つて探る樣な眼を異樣に輝かした...
石川啄木 「鳥影」
...それは非常に触覚が鋭いから盲の杖よりも上手に目的物を探るのだ...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...敵は始終光弾を発射して味方の挙動を探るんで...
岩野泡鳴 「戦話」
...大隅の真意を探るような眼付でもって見上げた...
海野十三 「地球盗難」
...老人にして梅を探る者あらば...
大町桂月 「久地の梅林」
...自分が探るとして――国許へ戻ったとて...
直木三十五 「南国太平記」
...乳のあたりを探るようにしましたから...
中里介山 「大菩薩峠」
...昔の平泉館の秘密を探る為に...
野村胡堂 「水中の宮殿」
...夫人を前とは変って探るようにじっと見つめた...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...空をかい探るように...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...「その探るやうな...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...私はちよつと紋吉の様子を窺つてから霧の中を探るやうにすかして見た...
北條民雄 「青春の天刑病者達」
...ハヌマン味方の創(きず)を治せんとて薬樹を北海辺に探るうち日暮れて見えぬを憂い...
南方熊楠 「十二支考」
...チラッと久保の表情を探るようにした...
三好十郎 「肌の匂い」
...ほかのネタを探ることばかりに没頭していた...
夢野久作 「けむりを吐かぬ煙突」
...帆桁やは空中を探るやうに動いた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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