...水を掠(かす)めて去来する岩燕(いわつばめ)を眺めていると...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...夕山風が古葉をふるわして樹々の間を掠めてくる...
飯田蛇笏 「茸をたずねる」
...たま/\鼻を掠めるやうに感じたので...
飯田蛇笏 「薄暮の貌」
...従つてその掠奪行為には...
伊藤野枝 「嫁泥棒譚」
...しかし弾丸(たま)は運わるく胸当の端を掠(かす)めて...
海野十三 「流線間諜」
...まるで頭の側(わき)を何かが掠(かす)って行くような音である...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...墓の面(おもて)を掠(かす)め...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...規律のない苗軍は掠奪を肆(ほしいまま)にした...
田中貢太郎 「愛卿伝」
... 200高く空飛ぶ荒鷲は陣の*左方を掠め來つ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...本船から掩護砲撃下に畑の牛を掠奪せんとした...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...無理やりに少女を掠奪する氣でいるということを白状するようなもんじゃありませんか? それどころか...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...せっかくここまでの経営が、瞬く間に掠奪と、犠牲の壇上に捧げられてしまい、そうしてこの本館も、御殿も、彼等暴民共の一炬(いっきょ)に附されるか、或いは山寨(さんさい)の用に住み荒されることは火を見るように明らかである...
中里介山 「大菩薩峠」
...岡は夜(よ)を掠(から)めて本郷から起る...
夏目漱石 「虞美人草」
...途端(とたん)に向うの舳(へさき)は余の眼を掠(かす)めて過ぎ去りつつ...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...他所(よそ)の国々へ押し渡つて夥しい財宝を掠め取つてゐた時代でな...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...1)Park's Africa, c. xxi. p. 280.かかる不断の戦争及び掠奪侵入における生命の浪費は...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...去年秋満州掠奪戦争がはじまってからの「死傷者の数」「軍費」その他中華ソヴェト...
宮本百合子 「刻々」
...野盗掠奪を旨とするのとは違うぞ...
吉川英治 「三国志」
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