...すたすたとドアを排して出ていつた...
石川三四郎 「浪」
...それを排して内に入ると...
梅崎春生 「幻化」
...先生が虚飾を排して玄関前にも勝手元も同一様であれば...
大隈重信 「福沢先生の処世主義と我輩の処世主義」
...「皆様が万難を排して上京なさろうとする意中は察するに余りあり...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...どうしても萬難を排して...
谷崎潤一郎 「恐怖」
...君はつねにかのジアナリズムを排してゐる...
土田杏村 「風は草木にささやいた」
...類型を排して個性を掴むのである...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...あらゆる感傷を排して...
豊島与志雄 「高千穂に思う」
...『万難を排して、国王が寝ている寝室へ行きなさい...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...学齢に達せしならば万難を排してなりと彼ひとりを当地へ招ばう...
牧野信一 「サフランの花」
...それは感情的な主観的な評価を排して...
三木清 「哲学入門」
...主知主義を排して主意主義を取るというが如きことを意味するのではない...
三木清 「哲学入門」
...外的社会的生活の一切を排して個人の内面的生活に唯一の...
三木清 「マルクス主義と唯物論」
...……えゝえゝ瞞(だま)したつて構ひませんとも!」扉を排して院長は出て行つた...
水野仙子 「嘘をつく日」
...特に心を奪うような樹を排してあるのも一服の煙草の味を美味にした...
横光利一 「旅愁」
...紛々(ふんぷん)たる臆説(おくせつ)を排して...
吉川英治 「江戸三国志」
...風邪をひいても」巧雲は唇の端をチッと鳴らしながら扉(と)を排して隣室へ行ってしまった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...まして、将軍家の内密なお墨付までうけたといえば、弦之丞が、万難を排して、阿波へ急いだのも無理ではない...
吉川英治 「鳴門秘帖」
便利!手書き漢字入力検索