...見た事もない白い瀬戸の把手(ハンドル)を上に捻(ひね)り下に捻り...
石川啄木 「天鵞絨」
...思わず口尻を捻り上げて泣かせたりしました」と云って...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「あの顔」
...口の捻り、肩の張り、胴から裾へかけての円み、畳附のしづかさ...
薄田泣菫 「茶話」
...プライドを捻り潰したものだった...
C. スミス C. Smith The Creative CAT 訳 「いえ、いえ、ラゴーフにはもう!」
...小さくへいで捻りあわせた麻糸は...
田中貢太郎 「地獄の使」
...運よく今日は一杯代捻りだした...
種田山頭火 「其中日記」
...ハッハッハッハッハッ」「宇佐美様と仰(おっ)しゃる――」平次は首を捻りました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「法悦倶楽部」の催しは大方会長の茶谷金弥の頭から捻り出され...
野村胡堂 「法悦クラブ」
...僕はまたそれを指で捻り潰してゐた...
原民喜 「心願の国」
...「東京への転出はどうもむつかしいといふことだがな……」と老人は首を捻りながら...
原民喜 「小さな村」
...その時窓にどんな人影があったか」加十は首を捻り...
久生十蘭 「魔都」
...毎日の焼酎代を捻り出して...
火野葦平 「糞尿譚」
...と新聞記者は鬚のない顎を捻りながら...
火野葦平 「糞尿譚」
...ふふん、と鼻で笑い、下唇をべろりと舐(な)め、そう事がわかれば何も事を荒立てはせん、と無造作に蟇口(がまぐち)を出して十円紙幣を入れ、顎を捻りながら、大きにお邪魔した、友田氏には何も云わないから安心したまえ、と云い捨て、すたすたと行ってしまった...
火野葦平 「糞尿譚」
...ワザとはじめに三人の旦那からもらった捻りだけは別に...
正岡容 「寄席」
...わざと捻り殘したその光が...
水野仙子 「女」
...各位は首を捻り、腕組みをし、貧乏ゆすりをし、俄(にわ)かに咳(せき)をし鼻をかみしめて、それぞれ腹蔵なく妙案を開陳したが、やがて口の重い金太が、「うん、……そのことで考げえたもんだったが」そう重々しく云って銀太を見た、「あのう、それ、あれよ、……神田の柳原の土堤(どて)に、うす馬鹿の乞食がいたもんだろう」「青瓢箪(あおびょうたん)みてえなあの若造か」「うん、あいつだ、……あいつでやれねえかと、いま考げえたんだったんだが」「だっておめえ、あのうす馬鹿をどうするんだ」「うん、それなんだが、あれをだな、なんとかくふうして、天一坊みてえに仕立ててだ、そうして大家に押っ付けたらどうか」「あのうす馬鹿の乞食をか」「あのうす馬鹿の乞食をよ」金太は右足の拇指を静かに動かした、「あいつによ、うん、お墨付とか、短刀とか、まあそういった、……こいつはありきたりの物で、なんとかうまくまじなってよ、こんな物を持ったこんな人間がいたんだが、こう云って大家に押っ付ければ」「うまい、その件は絶妙じゃ、それじゃ」不識斎先生が、思わず前へ乗出したので、着物の膝が――地が脆(もろ)くなっていたのだろうが――びりびりと大きく裂けて口をあいた...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...詩人は口髭を捻りまわしている...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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