...彼は正に其(その)襤褸(らんる)を取りひろげて半風子(しらみ)を指端(したん)に捻りつゝありき...
石川啄木 「閑天地」
...見物人を満足させるために力任せに一捻りして彼女を突放した...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...口の捻り、肩の張り、胴から裾へかけての円み、畳附のしずかさ...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...小さくへいで捻りあわせた麻糸は...
田中貢太郎 「地獄の使」
...散りくる葉をうけた水飲んでルンペンのやすけさをたどる支那人の寝言きいてゐて寒い・虱よ捻りつぶしたが明日の事――深耶馬の渓谷美や...
種田山頭火 「行乞記」
...文章を髭から捻り出して御覧に入れますと云う見幕(けんまく)で猛烈に捻ってはねじ上げ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...(絹糸で)感覚の無い性器に徐々に捻りと結紮を与えて壊疽を起こさせる...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...楔形の顎髭を捻り乍ら...
野村胡堂 「悪魔の顔」
...一と捻りするとわけもないようですが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「法悦倶楽部」の催しは大方会長の茶谷金弥の頭から捻り出され...
野村胡堂 「法悦クラブ」
...スイッチを捻りましたが...
野村胡堂 「笑う悪魔」
...ふふん、と鼻で笑い、下唇をべろりと舐(な)め、そう事がわかれば何も事を荒立てはせん、と無造作に蟇口(がまぐち)を出して十円紙幣を入れ、顎を捻りながら、大きにお邪魔した、友田氏には何も云わないから安心したまえ、と云い捨て、すたすたと行ってしまった...
火野葦平 「糞尿譚」
...てんでにお捻りをチャブ台の上へ並べてくれた...
正岡容 「寄席」
...ワザとはじめに三人の旦那からもらった捻りだけは別に...
正岡容 「寄席」
...わざと捻り殘したその光が...
水野仙子 「女」
...各位は首を捻り、腕組みをし、貧乏ゆすりをし、俄(にわ)かに咳(せき)をし鼻をかみしめて、それぞれ腹蔵なく妙案を開陳したが、やがて口の重い金太が、「うん、……そのことで考げえたもんだったが」そう重々しく云って銀太を見た、「あのう、それ、あれよ、……神田の柳原の土堤(どて)に、うす馬鹿の乞食がいたもんだろう」「青瓢箪(あおびょうたん)みてえなあの若造か」「うん、あいつだ、……あいつでやれねえかと、いま考げえたんだったんだが」「だっておめえ、あのうす馬鹿をどうするんだ」「うん、それなんだが、あれをだな、なんとかくふうして、天一坊みてえに仕立ててだ、そうして大家に押っ付けたらどうか」「あのうす馬鹿の乞食をか」「あのうす馬鹿の乞食をよ」金太は右足の拇指を静かに動かした、「あいつによ、うん、お墨付とか、短刀とか、まあそういった、……こいつはありきたりの物で、なんとかうまくまじなってよ、こんな物を持ったこんな人間がいたんだが、こう云って大家に押っ付ければ」「うまい、その件は絶妙じゃ、それじゃ」不識斎先生が、思わず前へ乗出したので、着物の膝が――地が脆(もろ)くなっていたのだろうが――びりびりと大きく裂けて口をあいた...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...万三郎は危うく躰を捻り...
山本周五郎 「風流太平記」
...詩人は口髭を捻りまわしている...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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