...うかうかと捺印してしまったことだし...
梅崎春生 「ボロ家の春秋」
...自発的に指紋を捺(お)したことのある人物であれば...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...歸る時間を書いたらしい帳面へ院長の印を捺して貰ふのもあつた...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...切手の上に日付のスタンプを捺(お)して前の籠にポンと抛り込む...
高浜虚子 「丸の内」
...これが何時も判で捺したやうに易(かは)らぬ挨拶であつた...
辰野隆 「浜尾新先生」
...被害人民が悉く二十錢三十錢の金で誑かされて判を捺しても...
田中正造 「公益に有害の鑛業を停止せざる儀に付質問書」
...でもあの事件が妙子の経歴に一種の烙印(らくいん)を捺(お)したことに依(よ)って...
谷崎潤一郎 「細雪」
...同じものが半紙の綴じ目の割り印を捺(お)すべき所にも二つぽたぽたとにじんでいる...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...窓からは捺染更紗のカーテンを引っ剥してある...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「天才」
...焼印を捺した木の札を一束にしたのを出した...
直木三十五 「南国太平記」
...溝板に面型を捺させるぞ」「強請(ゆすり)や...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...見馴れない麻裏草履があったはずだが――」「庭の方に変な焼印を捺(お)した麻裏があっただよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...四つ目の砂田屋と丸判が捺(お)してありますね...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...どの死体にも判で捺したように...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...何時頃に捺されたものか...
久生十蘭 「魔都」
...島田の半紙へ書いてもって来た許可願に印を捺して貰いました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...それが本当におやじの捺(お)したものかどうかさえ調べることはできない」とご一は呟くように云った...
山本周五郎 「さぶ」
...大事の曙光(しょこう)に一抹(まつ)の黒き不安を捺(な)すってしまった! もし向後(こうご)渭山(いやま)の城に妖異のある場合はいよいよ家中の者に不吉を予感さするであろう...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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