...毎日乗務が終って私に捺印(なついん)をもとめる勤務手簿には「佐川新太郎」の文字が見られた...
上田広 「指導物語」
...書類か何かに捺印(なついん)署名したっけねえ」「あっ...
梅崎春生 「ボロ家の春秋」
...あいつの指紋が捺してあるというのは...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...歸る時間を書いたらしい帳面へ院長の印を捺して貰ふのもあつた...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...兄が下宿していた旅舎の商用のゴム印が捺(お)されてあった...
相馬泰三 「田舎医師の子」
...「御賜鳩杖(おんしのはとのつえ)」の関防が捺(お)してあるのだが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...「印を捺(お)す事はどうも危険ですからやめたいと思います...
夏目漱石 「道草」
...一つ一つ吉の焼印が捺(お)してあり...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...手を廻して老中の奧印を捺(お)した赦免状を用意してゐました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お勝手へも表へも通れないことになつて居る」丑松は牡丹餅判(ぼたもちばん)を捺(お)すのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...御覧の通りこれは私が今までに契った女の唇を捺したもの...
野村胡堂 「百唇の譜」
...もし私の名義となっているものがありましたらその名義変更のためには何時(いつ)でも捺印(なついん)致します...
長谷川時雨 「柳原※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子(白蓮)」
...竹村章一という印の捺された水道料金の受領証...
原民喜 「忘れがたみ」
...届に捺印してすぐ辞し...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...それが本当におやじの捺(お)したものかどうかさえ調べることはできない」とご一は呟くように云った...
山本周五郎 「さぶ」
...ただ印を捺しましただけでございます...
横光利一 「マルクスの審判」
...その公文書に裁可の官印を捺(お)して下げてきた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...寺の所蔵の物にも捺(お)してありますよ...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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