...余る勢いに池の水を柱のごとく捲き起したようでございましたが...
芥川龍之介 「竜」
...おまけに金を捲上げて居るとか...
石川啄木 「病院の窓」
...水色のリボンの捲(ま)かれた深い麦稈(むぎわら)帽子を冠(かぶ)って...
徳田秋声 「あらくれ」
...舌を捲いて感歎するものがありましたけれども...
中里介山 「大菩薩峠」
...それが捲(ま)かれてある枠(わく)も...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...砂ッ埃を捲いて来ては...
羽志主水 「越後獅子」
...ノオンドルフという独逸名もあるルイ・シャルル・ド・カストリ侯爵は全欧州に話題を捲き起した奇異な人物だったが...
久生十蘭 「カストリ侯実録」
...駐在所の巡査が恭しい手つきで白布を捲りあげた...
久生十蘭 「湖畔」
...より大きな不満や不安が俺の身辺を取捲いてる様にも感ぜられる...
平出修 「公判」
......
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...大輪のハンドルを把(と)って捲きあげる具合になっていて...
牧野信一 「吊籠と月光と」
...柔らかいものの結けないのが常のやうにぐるぐると捲き強むばかりであつた...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...「……あたし……淋しいのよ……」妾は濡れたまんまの両腕をハラムの太い首に捲きつけた...
夢野久作 「ココナットの実」
...私は煙に捲かれたように茫然となっていた...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...それから引続いた来島の働らき振りには吾輩イヨイヨ舌を捲かされたもんだよ...
夢野久作 「爆弾太平記」
...ひとたび村重が信長の慰撫(いぶ)に従って旗を捲(ま)こうとしたのを...
吉川英治 「新書太閤記」
...ウィンチを捲(ま)く音が烈しく聞えて...
吉田甲子太郎 「秋空晴れて」
...胴に捲(ま)きつき...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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