...それはまるで予期しない恐慌を雪ふかい村々に捲き起した...
犬田卯 「荒蕪地」
...今朝は何日(いつ)もより少し早く六時半に出勤しました」捲取機(ローラー)のハンドルを逆回転させながら...
大阪圭吉 「デパートの絞刑吏」
...細い首に襟捲きを捲いて...
徳田秋声 「足迹」
...正面には御簾(みす)を捲いて...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...鍛冶倉の引っぱった縄は金蔵の首に捲きついている...
中里介山 「大菩薩峠」
...主人は舌を捲いていました...
中里介山 「大菩薩峠」
...このとき吹き捲(まく)った大波は...
中里介山 「大菩薩峠」
...おのずから舌を捲きました...
中里介山 「大菩薩峠」
...代助は又蚊帳を捲(まく)って這入った...
夏目漱石 「それから」
...いつ戦雲が捲き起らないとも知れなかったので...
野上豊一郎 「ヴェルダン」
...尻尾を捲(ま)いて引揚げる方が無事だぜ」海道丸の啖呵(たんか)は虹のようでした...
野村胡堂 「大江戸黄金狂」
...派手な色あひの美しい細リボンを編(く)みこんだ幾つもの小さい編髪にするならはしがなかつたので)房々とした捲毛が...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...念入りにカァルしたふさ/\とたつぷりある明色の捲毛がこぼれてゐた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...袖のところを捲(まく)って細い手をさすって見せた...
室生犀星 「香爐を盗む」
...第三者の立場から若林の手にかかって突然にこの事件に捲き込まれて来た無名の一青年という事実が公表され得る事になって...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...息子と同じやうに捲き上つてゐる...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...女史たちに捲かれてゐるよ...
吉川英治 「折々の記」
...弓箭(ゆみや)のなかに運命の風雲を捲き起そうと――かねてから結びあっている家党の輩(ともがら)なのである...
吉川英治 「新書太閤記」
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