...余る勢いに池の水を柱のごとく捲き起したようでございましたが...
芥川龍之介 「竜」
...砂礫(すなつぶて)を捲(ま)いて...
泉鏡花 「怨霊借用」
...」年増は片手を離してそれで帷を捲くやうにして無理やりに譲の体をその中へ引込んだ...
田中貢太郎 「蟇の血」
...大砲の砲身を針金で捲くあの方法の力学を考えながら...
寺田寅彦 「柿の種」
...首へ細引(ほそびき)を捲(ま)きつけられましたがな...
中里介山 「大菩薩峠」
...白雲が舌を捲いてしまって...
中里介山 「大菩薩峠」
...主膳がこの時に舌を捲いたと共に...
中里介山 「大菩薩峠」
...しかく仰山に「あっ!」と言って舌を捲いて...
中里介山 「大菩薩峠」
...猫を一匹投げ殺して、娘が三日寝たという程度の仕事では、これらの連中の神経は動かないことになっている、その神経を、かなり最大級に刺戟した事件が外で行われたことの現場を、この連中は現に見届けて来たればこそ、ここへ来て、まず舌を捲いて、あっけに取られているに相違ない...
中里介山 「大菩薩峠」
...素足に着物の裾(すそ)を少し捲(まく)りながら...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...敵ながらあっぱれと一同は舌を捲(ま)く...
牧逸馬 「戦雲を駆る女怪」
...M形に小尾根二本捲く...
松濤明 「槍ガ岳」
...してみると犯人はマリイ夫人が眠っている間にソッと二巻き捲いておいて、突然、絞殺に掛った訳ですね」「そうです……ですから計画的な殺人と認めているのですが……」犬田博士は調査を終った寝台の端に片足をかけて、足首の上の細い処へ、そのコードを二巻、捲付けた...
夢野久作 「S岬西洋婦人絞殺事件」
...一体いくら持ってるね」なぞと捲き上げてしまう...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...巻物の捲(ま)き様(よう)...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...女史たちに捲かれてゐるよ...
吉川英治 「折々の記」
...中央に捲起(まきおこ)すことができるものとして――平泉の館(やかた)から黙約を得ていたのだった...
吉川英治 「源頼朝」
...捲上げられてあるブランコを垂らすと...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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