...彼はぜひとも大きな奴を捫(ひね)り出そうと思ってあちこち捜した...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...虱(しらみ)を捫(ひね)る事一万疋に及びし時酒屋(さかや)の厮童(こぞう)が「キンライ」節(ふし)を聞いて豁然(くわつぜん)大悟(たいご)し...
三文字屋金平 「為文学者経」
...前面には江ノ島の列島波間に浮沈し、手をのばさば、之を捫すべし...
大町桂月 「金華山」
...神話に曰く、耶和華神所レ造諸生物、莫レ狡二於蛇一、蛇謂レ婦曰、爾勿三偏食二園中諸樹之果一、非二神所一レ命乎、婦謂レ蛇曰、園樹諸果、我儕得レ食レ之、惟園之中、有二一樹果一、神云、毋レ食、毋レ捫、免レ致二死亡一、蛇謂レ婦曰、爾未二必死一、神知爾食レ之日、爾目即明、致爾似レ神、能別レ善悪、於レ是婦視二其樹一、可レ食、可レ観、又可レ慕、以三其能益二智慧一也、遂摘レ果食レ之、並給二其夫一、夫亦食之、二人目即明、始覚一身裸一、乃編二無花果樹葉一為レ裳、日昃涼風至、耶和華神遊二於園一、亜当(アダム)与レ婦聞二其声一、匿二身園樹間一、以避二耶和華神之面一、耶和華神召二亜当一云、爾何在二曰、在園中一、我聞二爾声一、以レ裸故、懼而自匿、曰、誰告二爾裸一乎、我禁二爾勿一レ食レ之樹、爾食之乎、曰爾所レ賜レ我之婦、以二樹果一給レ我、我食レ之、耶和華謂レ婦曰、爾何為也、婦曰、蛇誘二惑我一、我故食レ之、耶和華神謂レ蛇曰、爾既為レ之、爾必見レ詛、甚二於諸畜百獣一、爾必腹行、畢生食レ塵、我将使爾与レ婦為レ仇、爾裔与二婦裔一亦為仇、婦裔将レ撃二爾首一、爾将レ撃二其踵一、謂レ婦曰、我必以二胎孕之苦、一重加二於爾一、産レ子維艱、爾必恋レ夫、夫必治レ爾、謂二亜當一曰、爾既聴二婦言一、食二我所レ禁之樹一、地縁レ爾而見レ詛、爾畢生労苦、由レ之得レ食、必為レ爾而生二荊棘一、爾将レ食二田之蔬一、必汗流浹レ面、始可三糊レ口二爾帰一レ土、葢爾由レ土出、爾乃塵也、必復帰二於塵一、アダムが神の禁せし樹の実を食いしは、人間の罪悪のはじめなり...
高木敏雄 「比較神話学」
...またその死体(しかばね)に捫(さわ)るべからず...
太宰治 「正義と微笑」
...何もかも私のことが原因(もと)で屋形と捫着(もんちゃく)を惹(ひ)き起しているようなことをいって手紙をよこしていながら...
近松秋江 「霜凍る宵」
...私のために捫着が起る道理がないのです...
近松秋江 「霜凍る宵」
...三野村ともそんな捫着がたびたびあったくらいだから無論嫌いではなかったろうが...
近松秋江 「霜凍る宵」
...随分捫(も)んで苛(いじ)めてやった...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...身上(しんしょう)をしまうしまわぬで幾度となく捫着(もんちゃく)した...
徳田秋声 「足迹」
...一ト捫着(もんちゃく)した後で...
徳田秋声 「足迹」
...女の連中がまた捫着(もんちゃく)していた...
徳田秋声 「足迹」
...芳太郎がお袋と長いあいだ捫着(もんちゃく)したあげくに...
徳田秋声 「足迹」
...一捫着(ひともんちゃく)してやらなくちゃ承知しない」お島はそれを考えると...
徳田秋声 「あらくれ」
...が「十二年血漏を患へる婦うしろに来て其衣の裾に捫れり」という句に続くものであった...
原民喜 「忘れがたみ」
...ソレは待つの待たないのと捫着(もんちゃく)の末...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...馬の毛中の寄生虫を捫(ひね)る等の益もあらんか...
南方熊楠 「十二支考」
...玄宗皇帝が楊貴妃浴を出て鏡に対し一乳を露わすを捫弄(もんろう)して軟温新剥鶏頭肉というと...
南方熊楠 「十二支考」
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