...捨て難いなつかしみを感じてゐる... 
芥川龍之介 「本の事」
...併し流石に捨て難い部分もあつて此處に編入した...
阿部次郎 「合本三太郎の日記の後に」
...それに夢見るやうな静かな谷であるのが捨て難い...
田山録弥 「あちこちの渓谷」
...久慈（くじ）川の渓谷に入つて行くのも捨て難い...
田山録弥 「行つて見たいところ」
...ずっと黄昏（たそがれ）の色が捨て難い風光を見せているけれども...
中里介山 「大菩薩峠」
...コロムビア盤のメンゲルベルク指揮（Ｊ七八九一―三）に捨て難い良さがある...
野村胡堂 「楽聖物語」
...これは老齢のハンディキャップを勘定（かんじょう）に入れても捨て難いレコードである...
野村胡堂 「楽聖物語」
...後者の若さと覇気（はき）に対照して捨て難いものである...
野村胡堂 「楽聖物語」
...カムルチ的のムツチリした仲々捨て難い味を持ち...
濱田耕作 「異國さかな雜談」
...そしてこの昔風の園も同じやうに捨て難いものであつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...それに多数の花穂が競い出て赤い花が咲いている秋の風情はなかなか捨て難いものである...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...やはり昔からの習慣は捨て難いものと見えて...
正岡子規 「病牀六尺」
...活版刷にしてもその印刷の稚拙で原始的な味わいが捨て難い...
山本笑月 「明治世相百話」
...剣の道はやはり東洋人の心には何か捨て難い魅力をなす詩であるにはちがいない...
吉川英治 「剣の四君子」
...捨て難い事情にあった小野家の跡目（あとめ）を他（ほか）へ譲って...
吉川英治 「剣の四君子」
...捨て難い」「拙者の眼とは...
吉川英治 「私本太平記」
...捨て難いふしもある...
吉川英治 「私本太平記」
...まだ捨て難い幻影がちらちらしていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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