...自分の弱味を殊更(ことさら)に捨て鉢に人の前にあらわに取り出して...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...彼は軽い捨て鉢な気分でその人たちにかまわず囲炉裡(いろり)の横座にすわりこんだ...
有島武郎 「親子」
...馬鹿々々しくって百姓仕事なんか……と捨て鉢気を起して...
犬田卯 「競馬」
...命知らずな捨て鉢なところがあった...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...」と云ふ樣な捨て鉢な事は云つた事がなかつた...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...」お増は捨て鉢のような言い方をして...
徳田秋声 「爛」
...ある娼婦と心中未遂に到るまでの捨て鉢な戀の告白をしました...
南部修太郎 「S中尉の話」
...捨て鉢にかう云つた...
南部修太郎 「猫又先生」
...銭形の親分」お栄は少し捨て鉢になりました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...捨て鉢の気持ちを抑えた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...ここへ来て何らか捨て鉢な事をやろうとすること自体...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...彼は、雪之丞を、闇打ちにかけ、一刀の下(もと)に斬り伏せようとして、却って、左の二の腕に、傷を負わされ、不首尾に終って遁(に)げ延びてから、捨て鉢の気持で、とある、小料理屋で、酔いを買ってから、松枝町にある、土部三斎の隠宅を頼って行こうとする途中だった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...だから、せめて、あの人が望みを果す日まで、何もかも待ってくれることにして貰えれば――」「ほ、ほ、ほ――親分にもないお言葉です」と、お初は、捨て鉢に、「親分、お前さんだって、このあたしが、どんな身の上か、よく御存知のはずでしょう...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...つまらぬことで捨て鉢になり...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...すべてに対して捨て鉢であると同時に高を括(くく)っているのであります...
夢野久作 「鼻の表現」
...もう捨て鉢だった...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...捨て鉢にかかって来た...
吉川英治 「三国志」
...いよいよ不貞くされの捨て鉢の...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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