...どうしても捨てがたいものになった...
伊藤野枝 「転機」
...四「この花には捨てがたい侘があるから...
薄田泣菫 「侘助椿」
......
高見順 「死の淵より」
...大してうまくもないが捨てがたい...
高村光太郎 「山の秋」
...講談の奇想天外にはまた捨てがたいところもあるのだから...
太宰治 「鉄面皮」
...萩は捨てがたい趣を持つてゐるが...
種田山頭火 「行乞記」
...何となく捨てがたいところがある...
種田山頭火 「草と虫とそして」
...中年の習慣は永く捨てがたいものである...
永井荷風 「砂糖」
...さすがに捨てがたい心持がしたと見えて...
永井荷風 「ひかげの花」
...それにもまた捨てがたい情趣がある...
中谷宇吉郎 「北国の春」
...凄いほどな麗人といふよりも美しい野の少女が朱(あけ)の頬を火照(ほて)らしながら、それでも瞳を反らしてしまはずに、うるんだ眼差しで、凝と見入(みい)つてゐるやうな、捨てがたい、胸のはれるやうな心持を與へられる...
長谷川時雨 「春」
...このあわれな風景も捨てがたい思い出になるのだろう...
久生十蘭 「だいこん」
...見捨てがたいほど心の残るものは何もこの土地になかった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...捨てがたい優しい妻が自分の心を遁世(とんせい)の道へおもむかしめない絆(ほだし)になって...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...これがなかなか捨てがたい風味なので...
吉川英治 「押入れ随筆」
...白牡丹の清々(すがすが)しさも捨てがたい...
吉川英治 「折々の記」
...あのヒジキなんて物もどうして捨てがたい惣菜ですからな』とは或る日の文六先生が述懐でもあった...
吉川英治 「舌のすさび」
...なかなか捨てがたい風味がある...
吉川英治 「親鸞」
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