...保吉の捉える下(くだ)り列車はこれよりも半時間遅いはずだった...
芥川龍之介 「寒さ」
...彼が友人ベエコンの名を持ちだす機会を捉えると...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...私はなぜかクモの巣の糸を集めて捉えるという方法を当時知らなかった...
高村光太郎 「蝉の美と造型」
...それは事物をその運動に於て捉える論理である...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...日々にすぎ行く現象を捉えるものだと考えられている...
戸坂潤 「思想としての文学」
...どちらがより深く人の心を捉えるであろうか...
豊島与志雄 「作家的思想」
...捉えることの出来るものならば...
中谷宇吉郎 「詩人への註文」
...仕入の悪い映画通を並べて殆んど無技巧にその心を捉える術(すべ)を心得ているのでした...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...ウージェーヌはタイユフェール嬢の密かな眼差しを捉えることが出来た...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...同時にこの男の反世間的思想や世の中を包括的に捉える大胆さに目を瞠った...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...「ベルナアルさんを捉えるよりも野兎を捉えるほうがもっと楽です...
久生十蘭 「葡萄蔓の束」
...しっかりと私の心を捉える...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...客観的にどこまでも捉えることのできぬところがあるから主体といわれるのである...
三木清 「哲学入門」
...元来それをも歴史的なものとして捉えるからでなければならぬ...
三木清 「哲学入門」
...憂鬱な気分がわたしを捉えるかと思うと...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...その上はえとりぐさの奴は濡れた紙片をつけてやると欺されて捉えるけれど...
蘭郁二郎 「植物人間」
...それがハッキリ捉えることが出来たらもっと能率が挙るに相違ないんだが」「磁力が肥料になるとでもいうのかね」「というのは...
蘭郁二郎 「脳波操縦士」
...彼らはこの鹿児島の一富商を捉えると共に...
和辻哲郎 「鎖国」
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