...然(しか)れどもまた敵愾心のために清国(てきこく)の病婦を捉(とら)えて...
泉鏡花 「海城発電」
...捉へにくい影を落して通り去つただけだつた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...文化問題として正常に捉えられている...
戸坂潤 「読書法」
...芳子の肩を捉えた...
豊島与志雄 「生と死との記録」
...「或る晩、竹内はさんざん酔っ払って、或は酔ったふりをしてたのかも知れないが、あの女を捉えて、手帳と万年筆とを――そんなものをいつも持って歩いてる奴なんだ――それをつきつけて、これに何か書けと膝詰談判を始めたものだ...
豊島与志雄 「反抗」
...そこへ行けばなにものかの捉(つか)まえどころがあるという暗示――ではないかと...
中里介山 「大菩薩峠」
...ひたすら時間上の實在性を捕捉しようとした象徴主義...
萩原朔太郎 「青猫」
...どんな風に子供として忘恩きわまる裏切りとこれを捉えているかは想像するに余りあります...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...同時にこの男の反世間的思想や世の中を包括的に捉える大胆さに目を瞠った...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...忙がしそうにしている所を捉(つか)まえて...
二葉亭四迷 「平凡」
...しかし今歌ひ出された曲の音調が私を捉(とら)へた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...きゅっと捉まえる事が出来ずに...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...事實に就いての把捉が人間に刺戟を與へる...
三木清 「歴史哲學」
...その人左手自身の耳を捉え右手蛇を引かば出づ...
南方熊楠 「十二支考」
...この人が鬼になって五百に捉(とら)えられたのは...
森鴎外 「渋江抽斎」
...誰が聞いてもその意味を捉えやすい...
柳田國男 「地名の研究」
...父(とっ)さんを捉まえて踏んだり蹴ったりしたから...
夢野久作 「爆弾太平記」
...自己の錯覚に捉われてゆくばかりで...
吉川英治 「江戸三国志」
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