...まだ良心を捉(とら)え得ぬ前に...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...眼帯の男を捉えなければならぬのは...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...捉へられやうとする時にはいつも平気で捉へられるやうな...
田山録弥 「黒猫」
...――つまり物に捉へられない心の方が...
田山録弥 「生滅の心理」
...ニュートンが一見捕捉しがたいような天体の運動も簡単な重力の方則によって整然たる系統の下に一括される事を知った時には...
寺田寅彦 「科学者と芸術家」
...もっと広汎な読者層を捉えるべく...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...或いは本来彼等が余り狭い考え方に捉われているか...
中島敦 「光と風と夢」
...それは自分が実際他(ひと)にそう思われているらしいという把捉(はそく)から来る得意にほかならなかった...
夏目漱石 「明暗」
...機敏にこの大衆の向ふ所を捉へたのである...
萩原朔太郎 「流行歌曲について」
...松王を捉えたとは真か...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...どッこいと取捉(とッつら)まえて厭がる者を無理無体に...
二葉亭四迷 「平凡」
...妖精界仄暗い谷――影なす湖――そして靄のかかったような森――捉えがたいそのかたち...
エドガー・A・ポオ Edger A. Poe 「ポオ異界詩集」
...真剣な怖れに捉われたらしく...
牧逸馬 「双面獣」
...彼が思索したのは却つて彼が市場に現はれて誰でもを捉へて談論した時である...
三木清 「人生論ノート」
...これに反して實踐的活動は凡てただその汚らはしいユダヤ的現象形態に於てのみ捉へられて輕蔑され...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...一人その尾を捉え他の一人その人を抱きて引けば出やすしと...
南方熊楠 「十二支考」
...やむをえず鉄器もてその穴を揺り広げやっと捉え得とあるも似た事だが...
南方熊楠 「十二支考」
...氏(うじ)も素性も知れない風来坊の私を捉まえて...
夢野久作 「キチガイ地獄」
便利!手書き漢字入力検索