...東京(とうきやう)の或る固執派(オルソドキシカー)教会(けうくわい)に属(ぞく)する女学校(ぢよがつかう)の教師(けうし)が曾我物語(そがものがたり)の挿画(さしゑ)に男女(なんによ)の図(づ)あるを見(み)て猥褻(わいせつ)文書(ぶんしよ)なりと飛(と)んだ感違(かんちが)ひして炉中(ろちう)に投込(なげこ)みしといふ一ツ咄(ばなし)も近頃(ちかごろ)笑止(せうし)の限(かぎ)りなれど...
三文字屋金平 「為文学者経」
...麦僊氏は手提鞄のやうに芸者の間に挿(はさ)まれて小さくなつてゐた...
薄田泣菫 「茶話」
...語りつがれる挿話37年間...
知里真志保 「生きているコタンの銅像」
...特に機関説を不当とする旨の明文を挿入することを強請した程...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...火事場からお巡りさんが迷子の手をひいてくる挿絵の泣いてる子の頭から無茶苦茶に後光がさしてお巡りさんの眼玉がはちきれさうに大きくなつてゐた...
中勘助 「銀の匙」
...薔薇(ばら)の造り花がセゼッション式の一輪瓶(いちりんざし)に挿(さ)してあった...
夏目漱石 「行人」
...じろじろ眺めていた老人はこのとき急に言葉をさし挿(はさ)んだ...
原民喜 「壊滅の序曲」
...真中に挿しこんである之も鉄のかんぬきは...
平出修 「夜烏」
...大形の薔薇(ばら)の花挿頭(はなかんざし)を挿(さ)し...
二葉亭四迷 「浮雲」
...「公債は今幾何(いくら)なの?」と嘴(くちばし)を挿(は)さんでみれば...
二葉亭四迷 「浮雲」
...二日灸(ふつかきゅう)和尚固(もと)より灸の得手 碧梧桐草餅や子を世話になる人のもと 挿雲手料理の大きなる皿や洗ひ鯉 失名など月並調に近きやう覚ゆ...
正岡子規 「墨汁一滴」
...別れの御櫛(みぐし)を髪に挿(さ)してお与えになる時...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...暁斎(ぎょうさい)や是真(ぜしん)の画のある団扇を幾つも挿した団扇挿しの下の柱にもたれて...
森鴎外 「雁」
...グルネ嬢の一五九五年版はこの挿話を完全に補綴しているが...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...挿花(はな)の師匠だという話なので...
吉川英治 「江戸三国志」
...菊女の挿(い)けた一枝の花よりも――である...
吉川英治 「黒田如水」
...週刊朝日誌上の杉本氏の挿絵には...
吉川英治 「随筆 新平家」
...しかもそれは出先での挿話的な出来事ではなく...
和辻哲郎 「鎖国」
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