...自ら求める心を挾んで他に對する者は...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...その八つ折りの紙を袴の間に挾んで...
石川啄木 「足跡」
...どうせ大勢の団員のなかに挾まつて行くのだから...
伊藤永之介 「押しかけ女房」
...そこから琵琶湖の岸に沿ふて近江國の西北端になつてゐる高島郡の平野が安曇(あど)川を挾んで濶けてゐる...
近松秋江 「湖光島影」
...さうして余は手帖に挾んであつた瑰の花を出して一つ一つランプの下に並べた...
長塚節 「佐渡が島」
...中に泉水が挾まつてゐるので...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...後年将軍家継嗣問題を挾んで水幕の反目最もはなはだしかった...
服部之総 「尊攘戦略史」
...貝殼(かひがら)は見當(みあた)らぬけれどもやはり人間(にんげん)の住居(じゆうきよ)した跡(あと)と見(み)えて石器(せつき)やその他(た)の遺物(いぶつ)が土中(どちゆう)に挾(はさ)まつてゐる所(ところ)がありまするし...
濱田青陵 「博物館」
...そこではわたしたちはピンセットで挾まれたようにしっかと抱き合い...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...だしぬけに口を挾み...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...甲板で卒塔婆を挾んで記念撮影をしたうえ...
久生十蘭 「三界万霊塔」
...一体どういう御用でありましたか」薄月の光をつらつらに照りかえす電車の軌道を差し挾んで向い合う二人の大親分...
久生十蘭 「魔都」
...子供らは荷物の間に挾(はさ)まって干菓子などを噛んでいた...
本庄陸男 「石狩川」
...「お安くないね」「御馳走(ごちそう)さま」というような言葉を小耳に挾(はさ)んで帰って...
水上滝太郎 「山の手の子」
...髪の毛などを小さな串のさきに挾(はさ)んで...
柳田国男 「年中行事覚書」
...国際連盟のイタリー制裁問題を中に挾んで睨み合っている最中ですから...
夢野久作 「女坑主」
...彼はとき/″\言葉の間へ挾んで...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...そんな証拠を耳にでも挾んだ者はねえかと聞くんだ』『あはははは...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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