...さうして脇の下に挾んで置いた體温器がつい落ちてゐたのを氣の毒がつて...
高濱虚子 「續俳諧師」
...だしぬけに口を挾んだ...
太宰治 「道化の華」
...そこから琵琶湖の岸に沿ふて近江國の西北端になつてゐる高島郡の平野が安曇(あど)川を挾んで濶けてゐる...
近松秋江 「湖光島影」
...人差し指第二關節の角の側面と拇指の腹面との間(あひだ)に矢(や)の一端と弓弦とを挾(はさ)む方法(はう/\)なり...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...詐謀僞術を挾みて強て多數の好尚に阿ねるは...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...祖父と母とが火鉢を挾んで坐っていた...
豊島与志雄 「同胞」
...」それから彼は紙挾(かみばさ)みをまたマリユスのポケットにしまった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...」悟浄は控えめに口を挾(はさ)んだ...
中島敦 「悟浄出世」
...底しれず澄み切った大空とに挾まれるところ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...水戸樣と傳通院の末寺に挾(はさ)まれて居るから...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...最早疑いを挾む余地もありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...藪と流れを挾んで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あの男は一度は懲(こら)してやらうと思つて居たが――」狩島右門は口を挾むのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...山三郎は女房持ちだと言つたな」平次は問ひを挾みました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...受取人の名を紙に書いて割竹に挾み...
長谷川時雨 「花火と大川端」
...自分の子供の名を挾みだしてもらえるように奔走する...
久生十蘭 「新西遊記」
...吉里と火鉢を挾んで坐り...
広津柳浪 「今戸心中」
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