...後の節句にも、お雛様(ひなさま)に進ぜさした、振出しの、有平(あるへい)、金米糖でさえ、その可愛らしいお口よごしじゃろうに、山家(やまが)在所の椎(しい)の実一つ、こんなもの...
泉鏡花 「薄紅梅」
...その小切手を振出した人というのは紳士の典型とも言ってもいい人だし...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...募集に応じて女給になったのが振出しですね」と目を天井へやったきり...
徳田秋声 「仮装人物」
...それに官界への振出しに...
徳田秋声 「縮図」
...調子に乗ってここを振出しに...
中里介山 「大菩薩峠」
...切口上で賭博打(ばくちうち)の言葉手形を本文通り振出したから...
中里介山 「大菩薩峠」
...賭博打の言葉手形を正式に振出して来るのだから堪らない...
中里介山 「大菩薩峠」
...さあこの善光寺を振出しに...
中里介山 「大菩薩峠」
...そもそもあの男の剣術の振出しだというようなことを言ったから...
中里介山 「大菩薩峠」
...その『大変』の振出しを呑まされちゃ」平次は房楊枝(ふさようじ)を井戸端の柱に植えて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...もう一度振出しに戻つて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...捜査を振出しへ戻して...
久生十蘭 「悪の花束」
...東京を振出しにして...
久生十蘭 「あなたも私も」
...振出した手形の期限が次から次と追って来ている...
三好十郎 「好日」
...南閻浮洲(なんえんぶしゅう)が振出しで...
山本笑月 「明治世相百話」
...西洋流の化学薬品に漢法の振出し薬を以て対抗して行くようなものだ...
夢野久作 「近世快人伝」
...そうして一年前のK村の惨劇を振出しにした彼等の戦慄すべき兇暴な手口を...
夢野久作 「老巡査」
...目黒行人坂を振出しに...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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