...ひもばしごを振れるだけ振っておいて...
江戸川乱歩 「青銅の魔人」
...掻き彈くや三由良(ゆら)の門(と)四の門中(となか)の海石(いくり)五に振れ立つ浸漬(なづ)の木の六...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...床から高く設置されていた針電極ホルダの錘が横に振れた...
C. スミス C. Smith The Creative CAT 訳 「いえ、いえ、ラゴーフにはもう!」
...犬の如く啣(くわ)えて振れと命じた...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...今日では最もあり振れたファシズムのイデオロギー公式である*...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...勿論之を単にあり振れた常識的観念であるとして見すごすことは出来ない...
戸坂潤 「読書法」
...ただ世間でこの顔振れを見て...
戸坂潤 「日本の頭脳調べ」
...竜之助が、もう少し如才(じょさい)なく詫(わ)びをしたら、或いはそれで負けてもらえたかも知れぬ、またこの店の亭主が、もう少し情けを知った人ならば、それで我慢(がまん)したかも知れぬ、しかしながら、竜之助は誰に向ってもするように、ない袖は振れぬ、ないものは払えぬというのが不貞(ふて)くされのようにも取れば取れるので、勘定高い亭主が承知しない...
中里介山 「大菩薩峠」
...日本人の劣等性をいい気持そうに振れ廻(まわ)っていた人たちが...
中谷宇吉郎 「日本のこころ」
......
林芙美子 「新版 放浪記」
...その切れっ端(ぱじ)が洗濯(せんたく)したおしめのように振れていた...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...坂田がノーと首を振れば...
久生十蘭 「あなたも私も」
...君にはあの旗は振れんかも知れないからな...
牧野信一 「早春のひところ」
...有り振れた凡庸な土地であつた...
正宗白鳥 「心の故郷」
...年とった農民がそのトラクターを眺めて溜息をついて疑わしそうに否定的に頭を振れば...
宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
...姪という振れこみで...
矢田津世子 「鴻ノ巣女房」
...春の初めに振れ、振れ、袂...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...その二階は見たところ三尺も動くかと思われるほどに横に振れている...
和辻哲郎 「地異印象記」
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