...この特恵に乗じていよいよ益々多数の醜業婦を輸出するは取(とり)も直さず益々日本の商業を振う所以である...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...先生前(さき)に斃(たお)れて弟子後に振う...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...腹一杯天下の正気を振うべし...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...批評が支配的・指導的な力を振うし...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...思い切った政治家的手腕を振うことの出来るのも尤もである...
戸坂潤 「日本の頭脳調べ」
...鉄骨の頂上に登ってる男が槌を振う度に...
豊島与志雄 「白蛾」
...こいつが威力を振うと...
中里介山 「大菩薩峠」
...落葉を振うものは必ずしも庭を掃(は)く人とは限らない...
夏目漱石 「虞美人草」
...衒勇(げんゆう)を振うことも趣味の一つであった...
久生十蘭 「無月物語」
...後にも先きにも川村君の腕を振う独壇場であった...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...暴威を振う大きな疫病の形でか...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...必然的に大きな暴威を振うであろう...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...それは激しい暴威を振う伝染病が過剰なるものを破壊するという要を排除してくれるのである...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...笑うべき迷信の偏見が道徳に対して腐敗堕落的権威を振うことはなくなると述べた後...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...かく他の諸動物に勝(すぐ)れて多勢で威を振うを見て...
南方熊楠 「十二支考」
...暴力を振うのは宜(よろ)しくない...
森本薫 「華々しき一族」
...「ええありません、そんな奇天烈(きてれつ)なまやかしものは、あっしゃあでえ嫌えでね、憚りながらこれでも辻駕を担いでまっとうに食ってるんだから、そんなももんがあみてえな物にゃあ用はありやせんッさ」「そんな愚かな、その、これはももんがあとかまやかしものとか、そんなその、……では聞くのだが、おまえの親父はなに者だ」「親父ってちゃんのことかい、ああ、ちゃんは銀造ってってね、この金太のちゃんは金兵衛というんで、どっちもいい人間だったよ、金太のちゃんはでこ金、おれのちゃんはやぶ銀ッて云われてたっけ、それッてえのがおれのちゃんは斜視(やぶにらみ)だったし金兵衛さんは、なあ金太」「うん、……おいらのちゃんは、かなりおでこだった、うん、かなりなもんだった」「いや、儂は親父の人相を聞いているのではないて、親父があるとすれば、親父の親父があるわけだろう、つまりおまえたちにとっては祖父という理屈のものだ」「ああそんな化物もいたようだ」「化物というやつがあるか、仮にも血を分けた祖父と孫、祖父は大親というくらいで、いかに無学文盲とは云いながら、……では聞くのだけれども、その祖父は名をなんといって、生れはどこだ」「おらあ手品使いじゃあねえから、じじいの人別(にんべつ)までは知らねえ」「なにが手品だ、どういう理屈で手品を使うんだ、ばかばかしい、云うことが一々……では聞くのだけれども、おまえたちの家は元来からの町人か、それともずっと先は武家とか公卿とか、或いはこの諸大名とかいう……」「うるせえなこの禿は、おらそんないかがわしいけだものたあ、ひっかかりはねえ、つまらねえいんねんをつけると承知しねえぞ」「なにを云うんだ、禿とはなんだ」吾助としてはむかついたわけである、「いかがわしいのはおまえのほうだ、儂も佐野源左衛門の末孫となってみれば、そこは家名のこともあるから忍耐するのだけれども、なんだおまえは、先祖も知らず家柄も血筋もわからない、それでも人間かえ、こ、な、なんだ、暴力を振う気か、こ、こ、そんな物を持ちやがって、この、……ひっ」吾助は表へとび出し、なにか一言ぴんとした言を云ってやろうとしたらしい、が、銀太が息杖(いきづえ)を持って出て来るようすであってみれば、ぴんとした言は断念したわけだろう、とりあえず泥溝板(どぶいた)を踏み鳴らして逃げていった...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...士気はまた一だんと振うだろう...
吉川英治 「私本太平記」
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