...按摩の笛が降るようだ...
泉鏡花 「歌行燈」
...背(せなか)を抱(いだ)くように背後(うしろ)に立った按摩にも、床几(しょうぎ)に近く裾を投げて、向うに腰を掛けた女房にも、目もくれず、凝(じっ)と天井を仰ぎながら、胸前(むなさき)にかかる湯気を忘れたように手で捌(さば)いて、「按摩だ、がその按摩が、旧(もと)はさる大名に仕えた士族の果(はて)で、聞きねえ...
泉鏡花 「歌行燈」
...……挨拶(あいさつ)に出た番頭にも、按摩の惣市、宗山と云う、これこれした芸人が居るか、と聞くと、誰の返事も同じ事...
泉鏡花 「歌行燈」
...――何を!……按摩の分際で...
泉鏡花 「歌行燈」
...「たまに私(わし)が按摩でも取れば...
徳田秋声 「足迹」
...按摩(あんま)のお神などがあり...
徳田秋声 「縮図」
...按摩が帰ると薄化粧をして...
中里介山 「大菩薩峠」
...何か出て行ったような按排(あんばい)でしたから...
夏目漱石 「琴のそら音」
...「按摩佐の市、其方(そのほう)の師、漆検校の申すことに相違はないか、浪人原口作左衛門は禁断の死鍼を打たれて死んだのではなくて、日頃酒毒に身体(からだ)を痛めて居るため、正道の鍼にも頓死(とんし)したものであろう、何(ど)うじゃ」情けの言葉、これに黙って平伏さえすれば、佐の市に何んのおとがめもあるわけはありませんが、それでは佐の市の心持がすみません...
野村胡堂 「禁断の死針」
...六間もなくガラッ八は若い按摩(あんま)を一人つれて来ました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...この三百両は按摩(あんま)を殺して奪(と)った金だといやア...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...うぐひすも問はば問へかし紅梅の花のあるじはのどやかに待つ (晶子)今按察使(あぜち)大納言といわれている人は...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...按察使も昔はすぐれた声を持った人であったから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...按ずるに蘭軒と斎とは見る所を同じうしてゐたのであらう...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...按(あん)ずるに是は狒々と称するものにて...
柳田国男 「山の人生」
...もう最後と見える窮極から転機するものだと……」「…………」「按(あん)じるに信長には...
吉川英治 「新書太閤記」
...心の推移を待っているといった按配(あんばい)に――一先ず寧子の縁談は...
吉川英治 「新書太閤記」
...戦略図を按(あん)じた結果...
吉川英治 「新書太閤記」
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