...パンと水とを持つて來る事を許した...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...絶対絶命の土民はたゞ鍛えられた肉弾を持つてゐるのみだ...
石川三四郎 「農本主義と土民思想」
...病院の中から一人の若い西洋人が医師の持つ大きな鞄(かばん)を抱えて現れた...
海野十三 「人造人間事件」
...十万円の提琴(ヴアイオリン)を持つてゐるといふので名高かつた...
薄田泣菫 「茶話」
...小さなコツプを二つ持つて来て...
田中貢太郎 「蛾」
...承知しなければ僕は金を持つて内を飛び出してやるよ...
谷崎潤一郎 「戯曲体小説 真夏の夜の恋」
...西洋人を女房に持つと...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...ナオミは真に強い自信を持つようになり...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...自然史的発展法則を持つということは...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...棍棒(こんぼう)を持つて夜警をしました...
豊島与志雄 「エミリアンの旅」
...自分に持つてゐないものは分りはせぬ...
中原中也 「芸術論覚え書」
...ユダヤ人と共に金儲けにかけては抜群の素質を持つ種族で...
野上豊一郎 「七重文化の都市」
...銘々(めい/\)どんなドスを隱して持つてゐるか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...尤もこれだけ附け燒刃の智慧でも持つて行けば...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何しろ反對なものを一しよに持つてゐる...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...自分の持つてゐる限りの思想感情を流露しつくし...
水上瀧太郎 「覺書」
...ぐら/\沸いてゐる薬罐(やくわん)の湯を小桶(こをけ)に分けて職工達の食事をする場所々々に持つて行つたりするだけのことであつた...
宮地嘉六 「ある職工の手記」
...ずっとずっと強い吸引力を持つその地位に引かれて行ったのも...
蘭郁二郎 「腐った蜉蝣」
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