...千本の卒塔婆(そとば)を拵(こしら)えた上...
芥川龍之介 「俊寛」
...若し俺が獨特の世界と聲音とを與へられてゐないとすれば――換言すれば他人の模型として拵へ上げられてゐるとすれば――俺は芝居をするより外に此宿命を脱れる途がない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...鍋の飯を握つて大きい丸飯(ぐわんぱん)を九つ拵(こしら)へて呉れました...
石川啄木 「雲は天才である」
...云うまでもなく夫人の拵(こしら)えて置いた偽証である...
江戸川乱歩 「一枚の切符」
...オーゲ! 二階で飛行機を拵(こしら)えてるヨアンネスと...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...ロス・アンジェルスで拵(こしら)えるフイルムの方が好きであった...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...田舎(いなか)丸出しの女中たちの拵(こしら)えてくれる食膳(しょくぜん)に向かうことも憂鬱(ゆううつ)だったが...
徳田秋声 「仮装人物」
...もし採用されなかったら丈夫玉砕瓦全を恥ずとか何とか珍汾漢(ちんぷんかん)の気(きえん)を吐こうと暗に下拵(したごしらえ)に黙っている...
夏目漱石 「自転車日記」
...トロは昔軍人の拵(こしら)えたのを...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...あんまり自分に不為(ふため)な証拠を拵(こしら)え過ぎた...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...とうとうお茂与の言うままに〈非業に死んだら有峰杉之助を調べてくれ〉という書置きを書いて渡した」「…………」「これは決して俺の拵(こさ)えた筋書じゃない...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...自分で座敷牢(ざしきろう)のようなものを拵(こしら)えて入(はい)り込み...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...自分でこんな座敷牢みたいなものを拵(こしら)えて入ったくらいですから...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...一遍正式に願書を拵らえて一般の輿論に訴えてみるがよい...
火野葦平 「糞尿譚」
...そこへ行く時には必ず祝儀と料金とを別々に拵へて用意して行かなければならない...
牧野信一 「祖母の教訓」
...あすこにある情感が偽りや拵えものでないことは...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...深い鍋へ酒に味淋に醤油に煮汁(だし)で美味(おいし)い汁を沢山拵(こしら)えて今の南瓜を柔くなるまで煮て出します...
村井弦斎 「食道楽」
...「なぜ拵えさせないのだ」と云(い)った...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
便利!手書き漢字入力検索