...これと拮抗(きっこう)する他の団体が生ずれば自然に気勢を削(そ)がれるのは当然であった...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...何といっても日本の最高学府たる帝国大学に対しては民間私学は顔色なき中に優に大学と拮抗して覇を立つるに足るは実業における三田と文学における早稲田とで...
内田魯庵 「明治の文学の開拓者」
...氏は拮据(きっきょ)十余年かれの仕事に没頭して...
辻潤 「錯覚自我説」
...単に日本のこの極度に対立拮抗した現実から...
戸坂潤 「科学的精神とは何か」
...競争拮抗するかのような関係で勃発した...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...三つの評価の拮抗によって両者の高まった一致の可能性を説く...
戸坂潤 「読書法」
...而もクローマー男は二十餘年間の拮据經營によりて...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...世界は「拮抗(きっこう)をもって法則とし...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...唯に羅馬に拮抗せんことこそ思へり!河に拠り...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集≪学校時代の詩≫」
...もしこの親方の人格が強烈で四辺(しへん)の風光と拮抗(きっこう)するほどの影響を余の頭脳に与えたならば...
夏目漱石 「草枕」
...他の例として彼はある種類の麻酔毒に拮抗させるために強いコーヒーや茶を処方する...
アーサー・ヒル・ハッサル Arthur Hill Hassall, M.D. 水上茂樹訳 「食品とその混ぜ物処理」
...文久以来犬猿もただならぬ長薩拮抗の歴史に邪魔されながらも...
服部之総 「尊攘戦略史」
...吉田磯吉一派と拮抗(きっこう)した井上安五郎の...
火野葦平 「花と龍」
...拮抗し得る名人だった...
正岡容 「寄席」
...ましてそれ等に拮抗し得る力と深さとに充ちるものは稀だと云はねばならぬ...
柳宗悦 「雑器の美」
...其後に至りて所謂拮据(きつきよ)二十余年改刪(かいさん)補正幾回か稿を改めしは固より疑ふべからずと雖も筆を落すの始より筆を擱(お)くの終りに至るまで著者の胸中には毫末(がうまつ)も封建社会革命の目的若くは其影すらもあらざりしなり...
山路愛山 「頼襄を論ず」
...ほぼ敵と拮抗(きっこう)し得る六万二千人の兵力を持ちうることになるのだった...
吉川英治 「新書太閤記」
...ところで君はこのアルセーヌ・ルパンと拮抗して戦ってみるつもりなのかい...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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