...自分自身の皿を紙で拭うという...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...見苦しき者どもをば皆海へ入れて、船の掃除召され候へ』とて、掃いたり、拭うたり、塵拾ひ、艫舳に走り廻つて手づから掃除し給ひけり...
太宰治 「右大臣実朝」
...柿の実撒砂(まきすな)にかちりと音して宿夢(しゅくむ)拭うがごとくにさめたり...
寺田寅彦 「東上記」
...弁信自身は、拭うても、拭うても、拭いきれぬ血を拭いているとは思わないでしょうが、見ているピグミーは、眼を皿のようにして、そのおびただしい血痕が、弁信のいずれの肢体から滲(し)み出でるのだか、驚惑と、興味と、恐怖とに駆(か)られて見ていたが、やがて気の毒そうに、「弁信さん、お前もかなり疲れているから、お休みなさい、おいらはこれから出かけます」「そうですか、お前さん、これからどこへ行きます」「そうさね、どこといってべつだん当てはないのだが、お前のいま言ったその信濃の国の、白骨(しらほね)というところへでも行ってみようかと思っているのさ」「あ、そうですか、白骨へ行きますか...
中里介山 「大菩薩峠」
...拭うことの出来ない瑕瑾(きず)の付く事件ですから...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ともすれば湧く涙を拭うばかりです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...拭うひまもなく衣服に身をくるんで...
長谷川時雨 「渡りきらぬ橋」
...その水を飲みほしてナフキンで丹念に唇を拭うと...
久生十蘭 「ハムレット」
...竜太郎はハンカチで額を拭う...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...世界の航海史に残した拭うことの出来ない大きな汚点だと言われている...
牧逸馬 「運命のSOS」
...(と涙を拭う)札木合(ジャムカ)(突然哄笑して)ははははは...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...双方の身を拭うた物を...
南方熊楠 「蓮の花開く音を聽く事」
...しきりにシカメ面をして涙を拭う真似をしていながら...
夢野久作 「鼻の表現」
...ビー子にはエイ子とシー子の事に就いて口を拭うて共白髪(ともしらが)を誓う...
夢野久作 「鼻の表現」
...眠り薬を用いて自分の生涯に拭うべがらざる不覚を与えた丹頂のお粂です...
吉川英治 「江戸三国志」
...この袁術に拭うべからざる恥辱をも与えた」即座に...
吉川英治 「三国志」
...ハッとして目を拭うと...
蘭郁二郎 「夢鬼」
...汗を拭うのも忘れていた...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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