...拙劣な読本(よみほん)を根気よく読んであげたが...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...なんという拙劣な砲手ども揃いじゃろう」「ああ...
海野十三 「不沈軍艦の見本」
...手段としても極めて拙劣な非芸術的のものである...
大杉栄 「新しき世界の為めの新しき芸術」
...拙劣な譬喩(ひゆ)をかりて言えば外国のいろいろな詩形から放散する「輻射線(ふくしゃせん)」の刺激もあるであろうし...
寺田寅彦 「俳句の型式とその進化」
...――だが反動理論は必ずしもこのような拙劣な形でばかり現われるのではない...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...その方法の武器が拙劣なために...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...この弊はすでに教育の玄人や素人にも拙劣な形で意識されているので...
戸坂潤 「現代科学教育論」
...拙劣な敵の徒労をながめていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...母の気を害するような拙劣な態度をとった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...その最も拙劣なのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...ホトトギスに庭園を寫生せよといふ題が出て居るので自分のやうな拙劣な手で寫生も恐ろしい譯ではあるがこれも稽古だやつて見やうと思ひついたので野らや林へ出やうとは思ひもよらぬのである...
長塚節 「我が庭」
...とうとう拙劣な文句のまま...
前田多門 「「人間宣言」のうちそと」
...そこでこれは誠に拙劣な川柳みたような俳句みたようなものですが...
牧野富太郎 「植物記」
...分類専門の学者でもその標品を作ることが拙劣なものが多く...
牧野富太郎 「植物記」
...その濃艶なる画にその拙劣なる句の賛(さん)あるに至つては金殿に反古(ほご)張りの障子を見るが如く釣り合はぬ事甚だし...
正岡子規 「病牀六尺」
...真心こめたそして拙劣な詩がしまってあったのである...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...拙劣なこしらへものを巧みないゝ文章と信じたのに...
水野葉舟 「言文一致」
...読者はこの作家の実行運動において最も拙劣な...
宮本百合子 「一連の非プロレタリア的作品」
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