...しかし読むに従つて拙劣な布置と乱脈な文章とは...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...この男の技(わざ)の拙劣なのに憐愍(れいびん)をさえ催していたのであったが...
谷崎潤一郎 「鍵」
...最も拙劣な不手際な...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...皆この文献学主義の拙劣な運用に他ならない...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...拙劣な盲目の刑罰よ...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...元来彼は拙劣な児童教育家であって...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...私の手蹟が余り拙劣なので...
豊島与志雄 「蓮」
...久能はすぐ難かしい顔をして、ノートを取りあげてみると、拙劣な、しかし丁寧な字がならび、原語は四頁まで刻命に、それでも間違だらけで書きとられ、その次の頁から、原語だけは諦めたと見えて空白になっていた...
豊田三郎 「リラの手紙」
...最も子供欺(だま)しの拙劣な例を以て証明されねばならない無神論...
中島敦 「光と風と夢」
...ホトトギスに庭園を寫生せよといふ題が出て居るので自分のやうな拙劣な手で寫生も恐ろしい譯ではあるがこれも稽古だやつて見やうと思ひついたので野らや林へ出やうとは思ひもよらぬのである...
長塚節 「我が庭」
...前掲の拙劣なる短詩をコントラ・バスの伴奏にのせ...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...拙劣な作家たらしめたりするものは...
平林初之輔 「諸家の芸術価値理論の批判」
...その才力また拙劣なるにあらずといえども...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...「祇園」に至っては何とも拙劣な脚本で...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...如何にも操作が拙劣なのだ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...単に毒々しく獰猛気な拙劣な絵の顔つきと...
牧野信一 「熱海線私語」
...殊に美女の観察や形容の言葉には拙劣な私がなまじな吹聴を試みぬ方が無事ではあるのだが...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...その濃艶なる画にその拙劣なる句の賛(さん)あるに至つては金殿に反古(ほご)張りの障子を見るが如く釣り合はぬ事甚だし...
正岡子規 「病牀六尺」
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