...拙劣な読本(よみほん)を根気よく読んであげたが...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...なんという拙劣な砲手ども揃いじゃろう」「ああ...
海野十三 「不沈軍艦の見本」
...われわれは拙劣な航海者にすぎないので...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...これは私が自分で処理せずばなるまいな」と私はその拙劣な手紙を眺めながら凝乎(じっ)と考えていたが...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...文章の拙劣な科学的名著というのは意味をなさないただの言葉であるとも言われよう...
寺田寅彦 「科学と文学」
...例えば河内山宗俊(こうちやまそうしゅん)のごとく慌てて仰山(ぎょうさん)らしく高頬(たかほ)のほくろを平手で隠したりするような甚だ拙劣な...
寺田寅彦 「初冬の日記から」
...――だが反動理論は必ずしもこのような拙劣な形でばかり現われるのではない...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...優れた物理学者の背後には大抵拙劣な哲学者が匿れている...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...皆この文献学主義の拙劣な運用に他ならない...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...その拙劣なひき方で彼を失望さした...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...拙劣な敵の徒労をながめていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...その拙劣な作品――前もってすっかり判断されていた――その拙劣な作品を判断する機会を...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...史上の人物に結び付けることの技巧が非常に拙劣なために...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...わたしがその年から数えて七年ほど前に書いた『三柏葉樹頭夜嵐(みつかしわこずえのよあらし)』という拙劣なる脚本が...
永井荷風 「十日の菊」
...しかし現代日本の西洋式偽文明(ぎぶんめい)が森永の西洋菓子の如く女優のダンスの如く無味拙劣なるものと感じられる輩(ともがら)に対しては...
永井荷風 「日和下駄」
...最も子供欺(だま)しの拙劣な例を以て証明されねばならない無神論...
中島敦 「光と風と夢」
...拙劣な作品は別として...
平林初之輔 「日本の近代的探偵小説」
...殊に美女の観察や形容の言葉には拙劣な私がなまじな吹聴を試みぬ方が無事ではあるのだが...
牧野信一 「天狗洞食客記」
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