...それが拙い絵であったりすると...
上村松園 「旧作」
...其応用の適否巧拙はまた...
高木敏雄 「比較神話学」
...これほどにも参らぬ家は多いもの、近くはそもじの家にても高須様にても、兄弟内には否様の悪い人も随分あるもの、然(しか)れば父母兄弟の代りに、拙者、芳、敏の三人が禍をかぼうたと御思い候えば、父母様の御心もすめる訳で御坐らぬか...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...拙者は、御代田仁平」といって、表へ「弟」と、振向いた...
直木三十五 「三人の相馬大作」
...四ツ本が「拙者の詰所まで」と...
直木三十五 「南国太平記」
...「いずれにしても、拙者は、これより壬生へ行くことは見合わせ、ほどよき宿をとって、ひそかに芹沢と会いたい、そうして身の振り方をきめる」「そうか、まあゆっくり都見物でもするがよい、隊へ入ると気が忙しくなる」「芹沢に、拙者が上って来たと伝えてくれ、近藤、土方には知らせたくない」「よし、そう言おう...
中里介山 「大菩薩峠」
...拙者はいつでも駒井甚三郎のことを思う...
中里介山 「大菩薩峠」
...拙者の口から初めて聞いたお前が...
中里介山 「大菩薩峠」
...その傍らから、お銀様の傲然たる声音(こわね)で、「それは、かとりの海――この琵琶湖のことじゃありません、琵琶湖は大きいのなんのと言っても、涯(かぎ)りの知れた湖です、かとりは海ですからね」「なるほど……そうおっしゃられると、拙者もそこに、かねがねの疑問を持っていたのです、お言葉通り、かとりの海と人麿(ひとまろ)は詠みました、かとりといえば、たれしもが当然、下総(しもうさ)常陸(ひたち)の香取(かとり)鹿島(かしま)を聯想いたします、はるばると夷(えびす)に近い香取鹿島の大海原(おおうなばら)に、大船を浮べて碇泊した大らかな気持、誰もそれを想像しないわけにはいかないのですが、拙者はこの歌を酷愛する一人であるにかかわらず、この歌の持つ空間性に、まだ疑いが解けきれないというのは、第一、柿本人麿(かきのもとのひとまろ)という人が、あの時代に、東(あずま)の涯(はて)なる香取鹿島あたりまで旅をしたことが有るかないかということです...
中里介山 「大菩薩峠」
...「この一條は拙者畢生(ひつせい)の過ち...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「拙者の刀を知って居るのか」「其処ですよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...私はいつも拙い絵をかかなければならなかった...
室生犀星 「幼年時代」
...意見をしなかった拙者にも半分の責任があると思った...
山本周五郎 「日本婦道記」
...あの子供の親孝心には拙者も泣かされたものじゃったが……その肉を拙者がアルコール漬にして保存しておきたかったナ...
夢野久作 「爆弾太平記」
...日本語が拙(まず)いから許してくれ...
夢野久作 「焦点を合せる」
...拙者の兄ともう一人をここに待ち伏せ致しおった曲者に相違なく...
吉川英治 「剣難女難」
...どうか拙僧の前言は誤聞として...
吉川英治 「宮本武蔵」
...ただ技巧の拙なるによって生じたとは...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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