...釣師の腕の巧拙は...
石井研堂 「大利根の大物釣」
...拙者の発明では、そこへもう一本殖やして、三本にするのだ...
海野十三 「特許多腕人間方式」
...拙(つた)なくても...
太宰治 「花燭」
...私はどうあってもぜひいますぐこの気拙さを拭きとってしまわねばならぬ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...きわめて稚拙なロシア出来の石版画が...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...拙者とて芸者に役者はつきものなり大概の事なれば見て見ぬ度量は十分有之候...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...拙作脚本集校正...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...「拙者はこの附近に住居(すまい)致す者でござるが...
中里介山 「大菩薩峠」
...拙者は直観でうつしていく商売です...
中里介山 「大菩薩峠」
...起きて、あなたと一緒に、その囲炉裏(いろり)の傍でお話をしましょう」「かえって寒いよ――眠れなければそのままで、話をし給え、拙者がここで、聞き手になって上げる」「では、このままで、もう少し失礼させていただきましょう」「何か話をしてくれ給え」「人の悪口を言いましょうか」「誰の」「そうですね――誰がいいでしょう」「相手を考えて悪口をいう奴もないもんだ」「仏頂寺の悪口を言ってやりましょうか」「あれはよせ、あれは見かけほど悪い男ではない」「胡見沢(くるみざわ)の助平お代官の悪口でも言ってやりましょうか」「殺された人の悪口などはいけない、たとえ嫌な人であろうとも、ああいうのは、悪口よりは、回向(えこう)をしてやるのが本来だね」「本当ね、ではそうそう、お蘭さんならいいでしょう、あの人なら、きっとぴんぴんして、どこかで、またいいかげんな人を相手にうじゃじゃけているに違いないわ、あんな人こそ、思いきり悪口を言ってあげた方がいい」「いや――あれも、君が憎むほどの悪人じゃあるまいぜ、第一、君にこのお手元金を取られてしまって、さぞ残念がってるだろう――そのうえ悪口を言われてはたまるまいからな」「それもそうですね、あたりまえなら只で置く女ではないのですが、罰金が取上げてあるから、暫く許して置いてあげましょう」「それがいい」「では、誰の悪口にしましょうね、誰も悪口を言う相手がないじゃないの」「相手がなければ、悪口を言わんでもいい」「でも、悪口を言わなければ、話の種がないじゃありませんか」「話の種というのは、悪口に限ったわけのものじゃあるまい、何か罪のない、面白い世間話をし給え」「罪のない話なんて、ちっとも面白かないわ、罪があるから世間話の種にもなるんじゃないの――では、わたし、自分のおのろけでも言って、あなたに聞いていただこうかしら」百二十六「結構だね、大いにやり給え」と、兵馬もこのところ、大いにさばけてこう出たのに、女がかえって尻込みをして、「よしましょうよ」「よさなくってもいいから大いにやれ」「いやです...
中里介山 「大菩薩峠」
...実は拙者も、こう見えても子供は極めて好きなのじゃ、子供と遊ぶほど愉快なことはない、女は駄目だ、成熟した女というやつにはみんな毒があるが、子供には毒がない、今晩も、わしは招かれるままにここへ遊びに来たが、女、女と呼んではみたものの、もう昔のように女を相手にしてみようという気などは起らぬじゃ、子供がいたら子供と遊びたい...
中里介山 「大菩薩峠」
...拙者はここで冷ますことを致したくない...
中里介山 「大菩薩峠」
...拙(せつ)を蔽(おお)おうと力(つと)めているところが一つもない...
夏目漱石 「草枕」
...少しでも拙劣だと...
平林初之輔 「探偵小説壇の諸傾向」
...「あれも拙者などに云わせると売名上手の肚(はら)なし書生だ...
山本周五郎 「新潮記」
...拙者がついて行ってやろう」「そんな心配はございません」「分るものか...
吉川英治 「銀河まつり」
...毎朝五条の大橋へ行って拙者が待っているから...
吉川英治 「宮本武蔵」
...しかし稚拙ながらにも...
和辻哲郎 「人物埴輪の眼」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??