...嘗て實現せられたるものの形骸を規矩として新なる可能性の開展を拒む者であつてはならない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...否被告の意志はあくまでこれを拒む事にあつたのであります...
伊藤野枝 「ある女の裁判」
...結婚は婦人に対し『おまへが私について来る時にのみおまへは生命を産み出すであらう』と云はないであらうか? 若し彼女が母権を買ふに彼女自身を売ることを拒むなら...
エンマ・ゴルドマン 伊藤野枝訳 「結婚と恋愛」
...一件書類を金庫から取出して見せることを拒むとは横暴とも理不尽とも...
海野十三 「深夜の市長」
...二に二を加ふれば四なるは千古に渉りて争ふべからざるが如く先天の原理より演繹し来れる修史の原則は何人も拒む能はじ...
津田左右吉 「史論の流行」
...もし物理学者が(唯物)弁証法的範疇体系の採用を拒むと仮定すれば...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...無産者がその子供にせめて形式的な中等教育(内容には随分歪曲された社会知識を注入するがそれは大人になれば訂正される)を受けさせようという気持になることを拒むことは...
戸坂潤 「社会時評」
...最後にシステムを拒むことは出来ても科学的システムを拒むことは出来ない...
戸坂潤 「ひと吾を公式主義者と呼ぶ」
...おろくは手を振って拒む...
長谷川伸 「沓掛時次郎 三幕十場」
...主體が實在者として飽くまでも隱れたる中心を守り自己を他者の所有に委ねるを拒むとは異なつて...
波多野精一 「時と永遠」
...「拙者(せっしゃ)が替ろう――」そう云った阿賀妻はながく立ちどまることを拒むのであった...
本庄陸男 「石狩川」
...是れ夫人が魔醉藥を拒むで服せざる所...
八面樓(宮崎湖処子) 「泉鏡花作『外科室』」
...返答を拒むと悪口雑言して喧嘩を吹っかけるという...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...まあ」と女の拒む声がした...
山本周五郎 「青べか物語」
...いちおう拒むようすだったが...
山本周五郎 「日本婦道記」
...「それでなお扶持を拒むのか」――よほど柿崎にほれこんでいるものとみえます...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...拙者は」「いいえなにも云わずに取っておおき」母は拒むことを許さなかった...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...もとより拒むところでない...
吉川英治 「三国志」
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