...一寸(ちよい)と隅の所を拈ると...
石川啄木 「漂泊」
...好奇(ものずき)な統計家(とうけいか)が概算(がいさん)に依れば小遣帳(こづかいちやう)に元禄(げんろく)を拈(ひね)る通人迄(つうじんまで)算入(さんにう)して凡(およ)そ一町内(いつちやうない)に百「ダース」を下(くだ)る事あるまじといふ...
三文字屋金平 「為文学者経」
...品書(しながき)を拈轉(ひねく)つて...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六號室」
...拈華微笑(ねんげみしょう)の教義による微笑の意義を目指して拵えたという説があるようだが...
高村光太郎 「回想録」
...和服の者は懐中へ筆記帳を四五冊無理やりに拈(ね)じ込み...
谷崎潤一郎 「The Affair of Two Watches」
...最後に一寅次の名を拈出(ねんしゅつ)して曰く...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...私は急いで電灯のスウィッチを拈る...
外村繁 「澪標」
...アイロニーの一語はますます鮮やかに頭の中に拈出(ねんしゅつ)される...
夏目漱石 「思い出す事など」
...又脳裏に拈定(ねんてい)するに堪えなかった...
夏目漱石 「それから」
...彼れらは決して拈華微笑(ねんげみしょう)...
長谷川時雨 「芳川鎌子」
...しかしそれだけでは歌にならないので前の文句を拈出したのである...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...七人手勢(てぜい)を揃(そろ)えて拈込(ねじこん)で...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...拈華微笑(ねんげみしょう)的微笑もおのずと口辺に漂わざるを得ません...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...仮想の犯人を拈出(せんしゅつ)するが如き...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...拈香(ねんこう)などの厳(おごそ)かなものの影のうちに...
吉川英治 「新書太閤記」
...前へすすんで香(こう)を拈(ねん)じる...
吉川英治 「新・水滸伝」
...そして瑤(たま)の台(うてな)に願文(がんもん)をささげ拈香(ねんこう)十拝...
吉川英治 「新・水滸伝」
...拈華微笑(ねんげみしょう)だ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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