...でもわたしとしてはそんな結果も考えてみてからお頼みするんでしたのに……」こういう押し問答の末に岡はとうとう愛子の迎えに行く事になってしまった...
有島武郎 「或る女」
...そんなに早く明かしをつける必要もないじゃないか」こんならちもない押し問答をして時間を送っている...
伊藤左千夫 「水籠」
...こちらの携帶者のことに就いて相變らず例の調子でボーイと押し問答をしてゐるのであつた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...いくど押し問答をしても...
海野十三 「暗号数字」
...そのような押し問答が二三回続いたあとで...
海野十三 「鬼仏洞事件」
...しばらく押し問答をしたあとで...
江戸川乱歩 「おれは二十面相だ」
...押し問答している所へ...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...ここで私の心配していた押し問答の形勢が持ち上りそうになりましたが...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...木の上と下とで押し問答を重ねつつ...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...押し問答をしているところへ...
火野葦平 「花と龍」
...押し問答の間に、半面が攣(つ)れたような四角い顔をした清水は、「ヤ、すみませんが……ヤ、これは恐縮です」など主任に茶をついで貰っている...
宮本百合子 「刻々」
...カフエで押し問答をしている時に...
三好十郎 「肌の匂い」
...ベロベロに酔ったまま警官と押し問答...
山本笑月 「明治世相百話」
...番頭を相手に何やら押し問答をしているふうでありました...
吉川英治 「江戸三国志」
...於通と押し問答の最中だった四十がらみの...
吉川英治 「新書太閤記」
...たしかに」「ではどこに――」「あの爼板岩(まないたいわ)の辺りから――そういえば沢辺(さわべ)のほうへ降りたのかも知れぬ」弁円と甲賀坊の押し問答を聞きながら...
吉川英治 「親鸞」
...「何処か寝かしてだけ貰うところはありますまいか」「さあ何処も一杯です」「物置の隅でもかまわないんですが」私はこんな押し問答をしながら宿屋の土間に突っ立っていた...
若杉鳥子 「独り旅」
...私はいっしょに行きたいと言っていろいろ押し問答しながら歩いた...
和辻哲郎 「夏目先生の追憶」
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