...廃兵そのものを抹殺する事は...
芥川龍之介 「澄江堂雑記」
...僕は心弱くそれを抹殺する氣はない...
太宰治 「道化の華」
...いやしくも憑(よ)るべきの原則あらば半片の故紙も以て勅撰の国史を抹殺するに憚からず...
津田左右吉 「史論の流行」
...彼れが自由党を代表して入閣したる事実を抹殺する能はざるなり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...その二つを抹殺することによって...
豊島与志雄 「広場のベンチ」
...父の視線を抹殺する様に兄が火鉢の中を掻き混ぜ始めた...
中原中也 「耕二のこと」
...その優(すぐ)れた音楽は抹殺する由(よし)もなく...
野村胡堂 「楽聖物語」
...季節と云ふ厭な聯想を抹殺するために朝子は掌にしてゐる雑巾で蟻を潰した...
原民喜 「針」
...僕は価値そのものを抹殺する...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...大量に俘虜を抹殺するような最悪の事態が起きても...
久生十蘭 「ノア」
...私は名簿を抹殺する目的で転出したのだと...
久生十蘭 「ノア」
...本尊を抹殺するには...
河本大作 「私が張作霖を殺した」
...今日の反主知主義の思想の殆どすべてはこのように幸福論を抹殺することから出発しているのである...
三木清 「人生論ノート」
...日本のより高い理性をもつ文化能力を抹殺する理論づけになった...
宮本百合子 「偽りのない文化を」
...抹殺することで自身の保身法とするために...
宮本百合子 「解説(『風知草』)」
...また伝統が余に教えたることを抹殺すること能わざればなり(クイントゥス・クルティウス)...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...やがて再び抹殺する結果をさえ生じたのである...
柳田國男 「書物を愛する道」
...十七歳の出陣説を抹殺する有力な確証でもなければ...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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