...しかも眉に一抹の哀切な愁を漂わせつつ降壇した...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...誰の胸にも一抹の物足りなさが残った...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...稿本も、はじめは、初稿のまゝにて、たゞちに活字に付せむの心にて、本文のはじめなる數頁は、實にそのごとくしたりしが、數年前の舊稿、今にいたりて仔細に見もてゆけば、あかぬ所のみ多く出できて、かさねて稿本を訂正する事とし、訂塗抹すれば、二氏淨書してたゞちに活字に付し、活字は、初より二回の正とさだめたれば、一版面、三人して、六回の正とはなりぬ...
大槻文彦 「ことばのうみのおくがき」
...アムンダゼンがいるぞう!丁抹(デンマーク)王室があるぞう! 貴様らふざけた真似をすると...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...全丁抹憧れの人言々血を吐く手紙というのはこれを指すのであろう...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...金モールの抹額(もこう)をつけた黒帽を眉深(まぶか)にかぶッていた...
イワン・ツルゲーネフ Ivan Turgenev 二葉亭四迷訳 「あいびき」
...なぐりつけるごとき一抹の時の悪寒の底に...
中井正一 「レンズとフィルム」
...露伴先生は「竜虎経」を抹殺された...
中谷宇吉郎 「古代東洋への郷愁」
...クリームを塗抹(とまつ)して見たりいろいろの化粧をしてくれる専門家が出て来ましたが...
夏目漱石 「道楽と職業」
...ペルシア軍の侵入を撃退したギリシア軍の名誉を主題とした殿堂の壁画は抹殺されて...
野上豊一郎 「パルテノン」
...芸術から詩を抹殺(まっさつ)し...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...私は名簿を抹殺する目的で転出したのだと...
久生十蘭 「ノア」
...空を曵(ひ)く一抹(いちまつ)の雲の有るところでは...
ホーフマンスタール Hugo von Hofmannsthal 木下杢太郎訳 「チチアンの死」
...のぞみありげな勧説(かんぜい)にも一抹(いちまつ)の疑いを持ち...
本庄陸男 「石狩川」
...ぼくらの結婚に一抹の不安を持っていたことなどおもい出すのである...
山之口貘 「沖縄帰郷始末記」
...一抹(いちまつ)...
吉川英治 「三国志」
...その人の受難や柴家(さいけ)の抹殺されるのを...
吉川英治 「新・水滸伝」
...一抹の航跡を曳(ひ)いて...
吉川英治 「随筆 新平家」
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