...墨くろぐろと抹消した...
海野十三 「軍用鼠」
...三十人をこの世から抹殺(まっさつ)しています...
江戸川乱歩 「影男」
...私が変化させようとするその実体のない肉体をすっかり抹殺してしまうかも知れないからである...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...温かい柔かな寝床に横になって夜衣(よぎ)にくるまりながら、ソフィヤ・リヴォヴナは暗い柱廊や、抹香の匂いや、円柱の傍の人影を思い出した...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ」
...その上に一抹の海青く汽船の往復する見ゆ...
寺田寅彦 「東上記」
...やがて丁抹(でんまるく)王城(おうじょう)の場になる...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...三十四年目に帝国座の舞台で丁抹(でんまるく)の王子として君を見るのである...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...如何なる場合にも寸毫(すんごう)も余の粉飾(ふんしょく)塗抹(とまつ)を加えなかった...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...言わばその出生証書を塗抹(とまつ)したる...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...あなたほんとにうれしそうね!」一抹(いちまつ)の影がマリユスの額にさした...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...私は名簿を抹殺する目的で転出したのだと...
久生十蘭 「ノア」
...その人の人生を抹殺して...
宮本百合子 「衣服と婦人の生活」
...極めておだやかなうちに一抹の苦みをもって...
「おもかげ」
...また伝統が余に教えたることを抹殺すること能わざればなり(クイントゥス・クルティウス)...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...何んとなく一抹のあわれを感じて来るのだった...
横光利一 「旅愁」
...それまではたれにも澱(おど)んでいた一抹(いちまつ)の危惧(きぐ)だったものも...
吉川英治 「私本太平記」
...十七歳の出陣説を抹殺する有力な確証でもなければ...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...しかし彼の抹香(まっこう)嫌いは...
吉川英治 「源頼朝」
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