...と背(せな)を抱くのに身を恁(もた)せて...
泉鏡花 「悪獣篇」
...自分はふらふらと立ち上ってその妓の背後から肩を両手で抱くようにして...
相馬泰三 「六月」
...勘右衛門はそうした不審を抱くとともに...
田中貢太郎 「風呂供養の話」
...死に対して抱く絶望的な哀傷を以て――低く眩いた...
中島敦 「光と風と夢」
...もんの肩を抱くやうにして寄り添つて歩いてゐるけれど...
林芙美子 「秋果」
...少しばかり丸い背中をした身体を抱くなら...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...というのは下宿人が彼女のところで食事をするための時間帯の設定が次第に煩雑になってくる事に彼女が不満を抱くのではないかと彼等は気が気ではなかったのだ...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...疑いを抱くことはない...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...そんなにも愛着を抱く理由を理解するのは容易である...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...梅雨(つゆ)去りぬ先づ縹草初夏の瞳を上げて喜びを云ふ梅雨が上つていよいよ夏だといふはればれしい感じは恐らく凡ての草木の抱く所であらう...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...いつの間にかしらそんな憂鬱病を胸底深く掻き抱くやうになつてゐる私とは露知らずに...
牧野信一 「サロメと体操」
...沈静なる情熱とを抱く労働者技師としてのあなたを持つ「人民詩の工場」で...
槇村浩 「森山啓に」
...ああそう云う類の化粧を以てのみ悪心を抱くものは生活する...
松永延造 「職工と微笑」
......
松本たかし 「松本たかし句集」
...また思い抱くことすらできない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...まだ冷えた冬の外気の匂(にお)いがする妻の身体を抱く両手に...
山川方夫 「待っている女」
...――もし将来の天下におなじ野心を抱く者なら...
吉川英治 「私本太平記」
...かえって大志を抱く士は少なく...
吉川英治 「新書太閤記」
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