...今日は折柄の日曜日...
石川啄木 「鳥影」
...この際は原稿大難航の折柄のこととて...
海野十三 「軍用鼠」
...折柄、クロクロ島の沈没しているあたりは、煙のような乾泥がたちこめ、咫尺(しせき)を弁じなかった...
海野十三 「地球要塞」
...「私達のは勿論能率向上という見地からですが……非常時局の折柄指導的立場にあるべき彼等の夏季半休は時代に逆行するものではないでしょうか...
戸坂潤 「社会時評」
...折柄桜時故ニ風景モ一入(ひとしお)ヨク...
中里介山 「大菩薩峠」
...さすがの鷲(わし)も少々持て余した折柄(おりから)...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...大に悩み居る折柄...
野中到 「寒中滞岳記」
...折柄、朗らかな伊太利の小唄――、夜のビルディングの空気に、遠慮もなく美しいメツオ・ソプラノを響かせて、上の方から香川礼子が降りて来たのです...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...寒さの折柄、御大切に...
原民喜 「書簡」
...四月の十五日歸國に極まりて土産物など折柄日清の戰爭畫...
樋口一葉 「ゆく雲」
...折柄来訪の英百合子・高峰秀子・リキー宮川・藤山一郎が出た...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...折柄、烈しい物音がしてにわかにこの辺り空も水も船も人も圓朝もお糸も、猩々緋(しょうじょうひ)のような唐紅(からくれない)に彩られそめたとおもったら、向こう河岸で仕掛花火の眉間尺(みけんじゃく)がクルクルクルクル廻りだしていた(下略)...
正岡容 「小説 圓朝」
...二月十一日には、小石川音羽蓮光寺に喇叭の円太郎を掃墓して、春風や屋根に草ある朱き門三月廿九日は、ただ只管に平和ぞ恋しく、ありし日の寄席景情を偲べばとの前書下に、初席や梅の釣枝太神楽春の夜や花籠二つ鞠の曲春の夜の囃子の中の米洗ひやがて四月十三日と五月廿五日と、二ど焼かれた私たち一家は、羽後山村へ、ランプの村に起臥四ヶ月、折柄の月明には、佗びしき朽縁に端坐して、佗居うたた木村重松おもふ月風悲し重松ありしころの月と諷ひ、同じころ、現三笑亭可楽と、角舘町に於る、寄席芸術に関する講演に赴いて、偶々席上にて旧著『円朝』へ題句を求められた砌りには、東京(ふるさと)の寄席の灯遠き夜長かなと、即吟した...
正岡容 「寄席風流」
...折柄、そこへ訪れてきた婦人が母であること分り、さらにその母によってお国の行方また分るのは、いよいよ筋が引き締まってきていい...
正岡容 「我が圓朝研究」
...一枝切らせて師の君にお目にかけようと存じます折柄...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...御用繁多の折柄に付(つき)...
夢野久作 「斬られたさに」
...そのような折柄に...
夢野久作 「名君忠之」
...折柄烈しく音を立てて降りそめた雨を聞きながら...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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