...丁度その折も折、群集の渦卷が彼を戸口の方へ押して行つたので、彼は抵抗しないで運び去られるまゝになつてゐた...
ロバート・ルイス・スティーヴンソン 佐藤緑葉訳 「醫師と旅行鞄の話」
...お心淋しく存じて居られた折も折...
太宰治 「右大臣実朝」
...他生の縁あってここに集(つど)い、折も折、写真にうつされ、背負って生れた宿命にあやつられながら、しかも、おのれの運命開拓の手段を、あれこれと考えて歩いている...
太宰治 「もの思う葦」
...(折も折、文壇の荒木陸相を以て目されていた直木三十五氏が死んだ...
戸坂潤 「社会時評」
...折も折とて、其の半日の樂しさも忘れられないものであつた...
沼井鐵太郎 「黒岩山を探る」
...とぼ/\と家へ帰ってくる折も折...
槇村浩 「孝太郎と悪太郎」
...頻(しき)りと思い悩んでいた折も折である...
吉川英治 「剣の四君子」
...折も折である...
吉川英治 「三国志」
...暗躍しているという折も折であった...
吉川英治 「三国志」
...六折も折である...
吉川英治 「三国志」
...折も折でござったよ」と...
吉川英治 「私本太平記」
...この附近は物騒と聞いて来た折も折...
吉川英治 「新・水滸伝」
...祝氏(しゅくし)の三傑(けつ)「時報(とき)ノ鶏(とり)」を蚤(のみ)に食われて大いに怒ること折も折である...
吉川英治 「新・水滸伝」
...どうも仕方のない黒面猿(くろんぼざる)だ」その日は折も折だった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...大いに頷(うなず)けます」「折も折とて天草の乱には...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...折も折...
吉川英治 「源頼朝」
...折も折、客とみえて、玄関に控えていた仲間が、そこから告げた...
吉川英治 「山浦清麿」
...母さんがいいっていえばだよ」しかし、折も折、その母さんが、自分で、「そいつはいかん」と返事をしに来た...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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