...折あしくこれ以上こまかいのがないんです...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...折あしく改札直前に警報が出て構内は一瞬のうちに真暗になり...
太宰治 「十五年間」
...幸子は折あしく風邪を引いて臥(ね)ていたけれども...
谷崎潤一郎 「細雪」
...折あしく彼女が留守だったので...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...同奧樣』折あしく主人は上京中で私には鯉幟の説明も出來ぬが折角訪ねて來てくれた事故...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...折あしくそこへ玉子と麦粉菓子(むぎこぐわし)を背負つた女のあきんどが休みにきたものでれいのとほりすぐに伯母さんの背中へくつついた...
中勘助 「銀の匙」
...私はいつになく喜んで昼飯をたべてたのに折あしくむかふから人がきたものですぐさま箸をはふりだして もう帰る といひだした...
中勘助 「銀の匙」
...女の子たちはつねづね怖ぢけをふるつて誰ひとり彼のそばへよる者はなかつたのに折あしくうつかりそこを通りかかつたのはおちやんだつた...
中勘助 「銀の匙」
...折あしく茶の間には誰もゐなかつたので私は思ひきつて離れへいつた...
中勘助 「銀の匙」
...折あしくもこの悪路...
本庄陸男 「石狩川」
...折あしく原稿が間に合はず他の同人は何うであつたか稍記憶が怪しいのだが...
牧野信一 「「三田文学」と巌谷夫人」
...折あしく近頃お国表の尼ヶ崎から江戸詰になったばかりの奥役人...
正岡容 「艶色落語講談鑑賞」
...圓生のは、いつも折あしく、聴く機なし』こんなことを書いてから早いもので、もう八年の月日がそこに経ってしまった...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...折あしく池の泥を浚(さら)えて居る処で...
正岡子規 「車上の春光」
...折あしく他人の分まで臨時に受け持たされて...
武者金吉 「地震なまず」
...然しそこは折あしく満潮で...
山本周五郎 「柳橋物語」
...幕府は、極楽寺坂まで、大勢の騎馬徒士(かち)を繰り出して迎えたが、執権高時は、「折あしく、発病のため」と称(とな)えて、勅使との対面は、これを避けた...
吉川英治 「私本太平記」
...おまけに折よくにしろ折あしくにしろ...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「真珠の首飾り」
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