...並大抵なお骨折りじゃございますまい...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...泰さんもしまいには我を折って...
芥川龍之介 「妖婆」
...裏の滝壺で顔を洗う、握飯を腰にして平林道の峠を上る、幾十折、雑木を抜けると焼畑がある...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...折からのひでりで百姓の家族は皆畑に出て灌漑(かんがい)用水をいちいち汲み上げては田の中に注いでおる...
高浜虚子 「別府温泉」
...不折ほど熱心な画家はない...
寺田寅彦 「根岸庵を訪う記」
...これ預っといてくれないか」とも子は赤い包紙にくるんだ菓子折みたいなものを渡された...
戸田豊子 「歩む」
...看護婦長は氣象の勝れた女であつたから病院内の折合ひが面白からぬことがあつたので病院長が留めるのも聽かずに出てしまつたのであるが僕に一遍はどうか來てくれと再應の手紙であつたから行つたのである...
長塚節 「開業醫」
...恰度帽子と云へば中折も鳥打もあるのに...
中原中也 「詩と其の伝統」
...もう一つ中ほどから折って帯のあいだへすべり込ませました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...折尾(おりお)駅で交錯する...
火野葦平 「花と龍」
...私たちは高慢の鼻をへし折られ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...主要な食事の時に折々着る...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...折角のお思召(ぼしめし)ですからこれを戴(いただ)きましょう」と婆さん向の半襟を我手元へ引寄ぬ...
村井弦斎 「食道楽」
...折角(せっかく)の御希望をお止めするのは却(かえ)って心ない業ではあるまいかと気が付いて……それならば折角のお話ですから私が立会いの上でお尋ね下さい……と御返辞した...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...鼈甲縁(べっこうぶち)の折畳(おりたたみ)眼鏡を持って来て差上げた...
夢野久作 「父杉山茂丸を語る」
...その秋から激しくなった空襲の折も...
横光利一 「微笑」
...天井に孔(あな)をも開(あ)けて折折(をりをり)に我を覗(のぞ)けよ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...さても、忠義な人もあるものだ……)と、しみじみ、彼のすがたに見惚れていたが、折ふしそこへ、寮の二夫人に仕えている者が迎えにきて、「すぐお帰りください...
吉川英治 「三国志」
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