...釣りたる鮎を背部へ向けて投げた...
井上円了 「おばけの正体」
...花氷を投げたものがあったという筋である...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...独軍の塹壕に投(ほ)り込まれた...
薄田泣菫 「茶話」
...落ちかかった斜陽(ゆうひ)が微(かすか)な光を投げていた...
田中貢太郎 「藤の瓔珞」
...女皇たちは皆にこにこして道の両側にキッスを投げかけている...
寺田寅彦 「先生への通信」
...お聞きくださるでせうか」「何でもどうぞ」自分は丸太でも投げ出した樣にかういつた...
長塚節 「教師」
...其(その)坂井(さかゐ)には元日(ぐわんじつ)の朝(あさ)早(はや)く名刺(めいし)を投(な)げ込(こ)んだ丈(だけ)で...
夏目漱石 「門」
...その後から二つのスーツ・ケイスを投げ込んだ...
野上豐一郎 「大戰脱出記」
...右手は早くも懷をさぐつて得意の投錢...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「おや、大きなイルカが捕れたぜ」平次はからかひ乍ら、八五郎の髷節(まげぶし)から網を外してやりましたが、フト氣がついた樣子で、「おや、爺(とつ)さん、この投網が、ひどく損じて居るぢやないか、まだ新しいやうだが、網石の鉛が隨分少くなつて居るが」平次は投網の裾をあげて、おもりの鉛の不足したのを勘定して居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...十三彼はたうとうパレツトを投げ捨てて私の方へ寄つて來ました...
水野仙子 「道」
...そのハンケチを椅子の上に投ぐ...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 森鴎外訳 「家常茶飯」
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八木重吉 「貧しき信徒」
...それに万金を投ずる者があると知らせたら...
柳宗悦 「民藝四十年」
...暗(やみ)に投げられた妖婦の黒髪は...
吉川英治 「江戸三国志」
...声を投げた女は屋形の外に立っていたので...
吉川英治 「剣難女難」
...どぼっと手斧を投げすててしまった...
吉川英治 「親鸞」
...わたしは数金を投じてただちにこれを額に仕立てずにはゐられなかつた...
吉野秀雄 「秋艸道人の書について」
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