...手でズボンを抓(つま)み上げて折目も拵え終ったが...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...今に役者が入ってくる」書生は主翁の衣服(きもの)を抓(つま)んで引っぱった...
田中貢太郎 「黄燈」
...抓るかと思うと今度は引っ掻く...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...むやみとその胸のあたりを抓(つね)るのか引っ掻くのか妙な折檻(せっかん)をする...
田畑修一郎 「石ころ路」
...能登守もまたそれを抓(つま)んで喜んで食いました...
中里介山 「大菩薩峠」
...糊付けた自分の胸掛を一寸抓んでそれから小娘の仕事衣を抓んで喉の底から搾り出す樣な妙な聲を出して又あどけく嫣然とした...
長塚節 「おふさ」
...さうすると婆(ばあ)さん等(ら)は思案(しあん)しつゝ然(しか)も速(すみや)かに綱(つな)の一(ひと)つを抓(つま)んでは放(はな)したり又(また)抓(つま)んだり極(きは)めて忙(いそが)しげに其(そ)の手(て)を動(うご)かす...
長塚節 「土」
...けれども腹の中では狐(きつね)にでも抓(つま)まれたような気がした...
夏目漱石 「道草」
...正三の手首を抓るのであつた...
原民喜 「壊滅の序曲」
...赤児の頬ツぺたを抓つたりするといふ話だつた...
牧野信一 「鏡地獄」
...みつ子は自分で自分の口をギユツと抓つた...
牧野信一 「香水の虹」
...右の手で抓みあげたまま私はぼんやりしてゐた...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...抓(つま)んで引っぱってみると...
夢野久作 「近世快人伝」
...代る代る手を出して背後(うしろ)の小丼の中味を抓(つま)んだ...
夢野久作 「近世快人伝」
...確かにタイプライターのリボンを抓(つま)んだ指を拭いた痕跡に違いないと思われた...
夢野久作 「暗黒公使」
...まん中あたりの髪毛(かみのけ)を一抓(ひとつま)み程プッツリと切取りました...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...まちがえばちょいと抓(つま)んで抛(ほう)り出すなどお茶の子だといわれているこのおばさんにしてさえ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...抓(つま)んで食いながら「御嘉酒(ごかしゅ)」で...
吉川英治 「松のや露八」
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