...小僧には襟首を抓(つま)んで引立てられる気がして...
泉鏡花 「絵本の春」
...私をきゅっと抓(つね)った...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...ようやく手の皮を抓(つま)み上げるのを止めた...
橘外男 「葛根湯」
...どうかしてこの込み入った画の配合や人間の立ち廻りを鷲抓(わしづか)みに引っくるめてその特色を最も簡明な形式で頭へ入れたいについてはすでに幼稚な頭の中に幾分でも髣髴(ほうふつ)できる倫理上の二大性質――善か悪かを取(と)りきめてこの錯雑(さくざつ)した光景を締(し)め括(くく)りたい希望からこういう質問をかけるものと思われます...
夏目漱石 「中味と形式」
...私は恰もあまりに幸福な夢に襲はれた者がそつと自分の頬を抓つて見る如くに...
牧野信一 「剥製」
...鞄の中から何やら抓(つま)んで...
夢野久作 「豚吉とヒョロ子」
...「年のせいもあるわ」三人が抓みっこをしていたテーブルに...
宮本百合子 「九月の或る日」
...気障(きざ)ざますよう」女はこう云ってまた膝を抓った...
山本周五郎 「七日七夜」
...情をこめた抓りかた...
山本周五郎 「七日七夜」
...オヤと思ううちに蓋をあけて中にある風月のモナカを一つ抓(つま)んで自分の口に入れてから私の方にズイと押し進めた...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...翁はそれに上下の義歯(いれば)を入れてから水飴やブッキリ飴を口に抓(つま)み込んでモグモグやる...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...一寸(ちょっと)の間(ま)狐に抓(つま)まれたような気持ちになった...
夢野久作 「鉄鎚」
...黒い針みたような崑崙の緑茶を一抓(ひとつま)みほど載せます...
夢野久作 「狂人は笑う」
...義歯(いれば)を抓(つま)んでいた親爺が眼を細くしてニコニコした...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...まん中あたりの髪毛(かみのけ)を一抓(ひとつま)み程プッツリと切取りました...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...宝石を抓(つま)み出して...
夢野久作 「涙のアリバイ」
...外へ抓(つま)み出しゃあがったじゃねえか」「まあ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...抓(つま)むようにそっと取る...
吉川英治 「宮本武蔵」
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