...掻(か)い抓(つま)んで理由(わけ)をいふと――」と狗(いぬ)のやうに冷さうな鼻をした使者(つかひ)の顔を見た...
薄田泣菫 「茶話」
...われとわが股(もも)を抓(つね)ってみたくなるような思いだ...
太宰治 「雀」
...これを抓取(そうしゅ)せんとしてやまざるところのものなり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...もうひどく抓るのが癖でしてねえ...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...糊付けた自分の胸掛を一寸抓んでそれから小娘の仕事衣を抓んで喉の底から搾り出す樣な妙な聲を出して又あどけく嫣然とした...
長塚節 「おふさ」
...足の親指を抓(つね)って見たり...
夏目漱石 「坑夫」
...また隠さない明けッ放しの内臓を見せても世間で別段鼻を抓(つま)んで苦(にが)い顔をするものがないからでもありましょうが...
夏目漱石 「文芸と道徳」
...おれを打つなり抓(つね)るなりしないのだ」などとお言い続けになった...
堀辰雄 「ほととぎす」
...みつ子は自分で自分の口をギユツと抓つた...
牧野信一 「香水の虹」
...そこに在つた餠菓子を抓んでニヤグニヤグと頬張つてゐた...
牧野信一 「坂道の孤独参昧」
...思ひきり強く抓りあげた...
牧野信一 「蝉」
...同時(どうじ)に兩方(りやうはう)からそれを抓(つね)りました...
レウィス、キァロル Lewis Carroll 丸山英觀訳 「愛ちやんの夢物語」
...その抓み方が痛そうだと...
室生犀星 「童子」
...情をこめた抓りかた...
山本周五郎 「七日七夜」
...指の先で無雑作に抓み取りながら注射器の中へポロポロとヒネリ込んだ...
夢野久作 「笑う唖女」
...鏡台から取出した櫛を抓(つま)んで...
吉川英治 「江戸三国志」
...小川町の藩邸に鼻抓(はなつま)みにされた...
吉川英治 「田崎草雲とその子」
...酒瓶(ちろり)のくびを抓(つま)んだ...
吉川英治 「無宿人国記」
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