...眼を抉りぬいてしまふ事だ...
テオフィル・ゴーチエ Theophile Gautier 芥川龍之介訳 「クラリモンド」
...蒸し粟の如き卵(こ)を抉り出しぬ...
石井研堂 「元日の釣」
...古代の記録によりますに、昔、ピシストラアッスなる人物は、自らの肉を抉り、傷つけ、血だらけになりましてアテネの市中に転がり込み、おれは追跡されている、おれはもうすこしで殺されるところだったぞと、吼えまわったのであります...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...また抉り取ろうというのですか」「いや...
寺島柾史 「怪奇人造島」
...胸のうちを大きく抉り取られたような哀感は...
豊島与志雄 「自由人」
...等しく抉り出され...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...刃物を以て死者の肛門を抉り...
中山太郎 「屍体と民俗」
...刃物を以て死者の肛門を抉り...
中山太郎 「本朝変態葬礼史」
...ルクソルの対岸の岩山を抉り抜いて造った古代の王と王妃の無数の墓窟の構造と装飾は...
野上豊一郎 「七重文化の都市」
...労苦に抉りとられた筋肉と煤けた皮膚と頭髪が入乱れて...
原民喜 「火の子供」
...脱臼する直前の不気味な鈍痛が肩胛骨を抉りはじめる...
久生十蘭 「一の倉沢」
...筏に残っていた犠牲者の臀から肉を抉りとると...
久生十蘭 「ノア」
...例の錆刀を持ちまして」浪江の横腹をひと抉り抉ったのである...
正岡容 「我が圓朝研究」
...抉りぬいて開かれるやうになつてゐるらしい条目がある...
三木露風 「トラピスト天使園の童貞」
...非条理に陥らせている封建的な道徳感への屈伏を作者は抉り出すことに成功してはいないのである...
宮本百合子 「「或る女」についてのノート」
...しかもバルザック的に抉り出して見たいとしきりに思います...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...流れの本質のくさり(腐敗)を抉り出すことで...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...止めをよほど抉り利かして置かなければならぬ...
室生犀星 「庭をつくる人」
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