...素直に己の目(もく)ろみに承知すると云う返事をした...
芥川龍之介 「袈裟と盛遠」
...おじいさんマアチン倅の嫁にと思ってわたしが町から買って来たリボンがある――彼女(あれ)もこれをお前に上げるのを承知するだろう風が散らばしたその乱れた髪を結ぶのに子供あのねえ...
ウイリヤム・バトラ・イエーツ 松村みね子訳 「心のゆくところ(一幕)」
...希望をもつことの出来ない歯科医などになることをしぶしぶながら承知する位の勇気があれば何も死なゝくともよさゝうなものだと先(ま)づ私達ならば思はれる...
伊藤野枝 「女絵師毒絵具を仰ぐ」
...なんぼ夫かてしョことなしに承知するやろ...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...たとい喜久子や中野が承知するとしても...
豊島与志雄 「朝やけ」
...今もってなかなか承知する様子がないので...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...菊池君に代るべき脚色者をという話であったが生じいの脚色者では原著者が承知する筈はなし...
中里介山 「生前身後の事」
...川越し人足が米友の口前ぐらいで承知するものではありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...必竟(ひっきょう)われらは一種の潮流の中に生息しているので、その潮流に押し流されている自覚はありながら、こう流されるのが本当だと、筋肉も神経も脳髄も、凡(すべ)てが矛盾なく一致して、承知するから、妙だとか変だとかいう疑(うたがい)の起る余地が天(てん)で起らないのである...
夏目漱石 「マードック先生の『日本歴史』」
...夫人の認定を一から十まで承知するよりほかに仕方がなかった...
夏目漱石 「明暗」
...切支丹の周助はそれを承知するはずはない...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...三人の仲間は承知する筈もありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...この地獄からぬけだす方法がないことを承知すると...
久生十蘭 「無月物語」
...きっと承知するって...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...ナミの言ひ方ではそんなことを承知する照子でなかつたから...
牧野信一 「愚かな朝の話」
...早く何とか村方で承知するように手配ばしてくれと申されるばかりで...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...私は二年とか三年とかの期限づきなら承知するが...
室生犀星 「はるあはれ」
...貴方の結婚の申し込を承知する...
山本周五郎 「山彦乙女」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??